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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

NHKのインタビュー取材に応じないケネディ大使(続)
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2014年2月16日第161号 ■     =========================================================     NHKのインタビュー取材に応じないケネディ大使(続)       =========================================================  読者の何人かからこのニュースは東京新聞だけでなく毎日新聞なども報じていたという投稿をいただいた。  調べてみたら共同通信の配信を東京新聞が大きく報じたが、毎日なども取りあげていたということらしい。  だからスクープは共同通信の手柄であり、内部告発者の通報があったとしたらそれは共同通信に寄せられたか、もしくは共同通信が内部関係者を見つけ、取材して報じたということになる。  いずれにしてもこれは重要なスクープ報道である。  しかし大手メディアはことさらに封じ込めようとしている。  安倍政権にとってはまことに都合の悪いニュースであり、安倍政権に対するダブルスタンダードのような態度を見せている米国をも当惑させる報道であったに違いない。  実際のところいまのオバマ政権は安倍政権にどう対応すべきか苦慮しているように思えてならない。  それはまた同時にオバマ政権のエジプトやシリアやイランやサウジアラビアや、イスラエルや、さらに言えば中国やロシアに対する外交に共通するものである。  米国が世界の警察として役割を果たせるとすれば、それは軍事力にものを言わせて攻撃できる時だけだ。  それがうまくいかない事は歴史が証明してきた。  そしてオバマ政権の米国は、軍事力による解決から話し合いを模索する米国になった。  そのとたんに米国は世界の警察としての役割を果たせなくなったのだ。  それはオバマ大統領の指導力のなさという事になっている。  それは半分は正しい。  しかしそれだけではない。  いまの米国の外交の迷走は、まさしく軍事力に頼れない米国の苦悩を象徴的にあらわしているのだ。  オバマ大統領がシリアのアサド政権を軍事力で排除しようとして逡巡し、内外の反対にあって話し合いによる解決に転換せざるを得なかった時、それを見て私は当時こう書いたことがあった。  もしオバマ大統領でなくてブッシュジ大統領であったら、おそらく米国議会に諮ることなく直ちに攻撃しただろう、国際世論などお構いなしに攻撃しただろう。  あるいは、sどのまったく逆に、イラク攻撃の失敗とそれに対する国際世論の批判に懲りて、シリア国民がどうなろうとも米国の責任ではないといって無関心を決め込んだだろう。  そのどっちかだったに違いないと書いた。  オバマ政権はそんな米国になり切れず、良心的な米国を引きずったまま苦悩しているように見える。  だからうまくいかないのだ。  しかし、これはオバマ政権ひとりのせいではない。  今後米国にどのような政権が出来ようとも、軍事力の行使ができない米国は世界の警察国家になり得ないのだ。  だからと言って米国に代わる世界の警察などいまの国際社会ではありえない。  ここにいまの国際情勢の深刻さがあるのだ。  逆説的に言えば、米国が弱くなり、迷走しているからこそ安倍首相はまだ助かっている。  甘やかされている。  しかし、だからといって、このまま安倍政権の日本が安泰であるという事にならない。  それどころか安倍首相は自らの判断で中国や韓国と向かい合い、関係改善を図らなければならない。  世界に向けて日本を評価される国にしなければならない。  米国の助けなしに外交的勝利を目指さなければならないのだ。  安倍外交が国際的に行き詰まるのはこれからである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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