□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月15日第155号 ■ ========================================================= 安倍首相の暴言をいさめるのは自民党しかないという逆説 =========================================================== 籾井NHK会長や百田、長谷川両NHK経営委員の暴言ばかりに目を奪われがちであるが、東京都知事選で信任を得たと言わんばかりの安倍首相の国会での答弁ぶりは目に余る暴言の連続である。 その中でも2月12日の衆院予算員会で集団的自衛権の行使容認に関連して述べた次の言葉は、傲慢さもここに極まれりと思える暴言である。 「(憲法解釈の)最高責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」 さらにまた次のようにも答弁したという。 「今までの(憲法解釈の)積み上げのままで行くのであれば、そもそも安保法制懇をつくる必要はない」 語るに落ちるとはこのことだ。 解釈改憲ができる事を報告書に書かせるために安保法制懇を作り、その人選をそういう論者ばかりで固めた事を自ら国会で白状したということだ。 立憲主義を否定するこれらの暴言に対し、護憲政党が怒り狂って国会審議を拒否したという話は聞かない。 これら暴言を問題視して大きく報じたメディアは13日の東京新聞ぐらいだ。 もはやこの国の政治にはまともな護憲政党や政治家は存在せず、この国のメディアは安倍首相の暴走を批判できないばかりか、制止することすらしない。 そう思っていたら2月14日の各紙が書いていた。 13日の自民党総務会で異論が相次いだと。 すなわち村上誠一郎元行革担当相が「選挙に勝てば憲法解釈を自由に変えられるのか。危うい発言だ」と批判し、 野田毅税調会長がその主張を支持して、「正面から受け止めるべきだ」(毎日)、「重要な話だ。執行部はしっかり首相に伝えてほしい」(朝日)と注文をつけ、 船田元憲法改正推進本部長も「拡大解釈を自由にやるなら憲法改正は必要ないと言われてしまう」(毎日)と応じたという。 野田聖子総務会長は「速記録を取り寄せて精査したい」と引き取り、その後の記者会見では「首相官邸と連絡を取り合い、誤解がないようにしたい」と述べたという(朝日) せめてもの救いだ。 安倍首相は自民党の伝統的な考え方からも逸脱しているということだ。 安倍首相の暴走を止められるのはもはや野党ではない。 少しは良識を持ち合わせている自民党の政治家たちかもしれない。 政界再編は、暴走する安倍首相に従う政治家たちと、これ以上安倍首相の暴走を許しては日本は危ういと考える政治家たちにはっきり分かれて行われるべきだ。 これこそが国民にはわかりやすい政界再編である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)