□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月14日第151号 ■ ========================================================= オバマ訪日の日程調整でアーミテージらに裏切られた日本 =========================================================== 2月12日、ついに米政府がオバマ大統領のアジア歴訪の日程を発表した。 これによってオバマ大統領の訪日が確定したことになるが、当初予定されていた二泊三日の日本滞在が一泊二日に短縮された。 その理由は当初の予定になかったオバマ大統領の韓国訪問が韓国政府の強い働きかけによって追加されたからだという。 オバマ大統領の訪日日程の短縮によって、国賓として厚遇しようとしていた日本政府は失望させられることになった。 だからこの韓国のゴリ押しは、近時どんどんとエスカレートする韓国政府の対日批判と相まって、世論の反韓感情をさらに高めるだろう。 それを対韓批判の急先鋒である産経新聞もしきりに煽っている。 しかし、その産経新聞は次のような事実を知っているのだろうか。 きょう2月14日の読売新聞が、このオバマ大統領のアジア歴訪の日程発表を報じる記事の中で書いている。 今度のオバマ大統領の訪韓実現については、知日派のアーミテージ元国務副長官、マイケル・グリーン元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長両氏が、1月31日付のワシントン・ポスト紙に「東京とマニラは訪れるのに、同じ同盟国である韓国に寄らないのは、朴大統領を困惑させる。日韓のとげとげしい関係を考えればなおさらだ」と寄稿していたと。 リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーンと言えばジャパン・ハンドラーと称せられる、日本にとって数少ない米国の親日派人脈だ。 安倍首相の靖国参拝に関しても、「もうおわったことだ」とアーミテージが言えば、それが「二度と行くな」という意味であるにも関わらず、「許してくれた」と勝っ手に解釈してやはりアーミテージは日本の味方だ、と言わんばかりだ。 そんなアーミテージやグリーンがそろってワシントン・ポストにオバマ大統領の韓国訪問は不可欠だと書いたのである。 実際のところこの二人のワシントン・ポストへの寄稿を当時小さく報じるメディアはあった。 しかしあたかも見たくない寄稿であるかのように日本の大手メディアは黙殺した。 そういう都合の悪いことから目をそらす勇気のなさがますます日本外交をダメにしているのだ。 日本のメディアが韓国の米国に対する外交攻勢を批判するのもいい。 しかしそれ以上に日本のメディアが書くべきは、安倍政権の硬直した対韓国政策は危ういということである。 朴大統領にオバマ大統領の国賓訪日を邪魔されたと嘆くより、一日も早い日韓首脳会談の実現に安倍首相は政治的指導力を発揮せよと書くことである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)