□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月14日第150号 ■ ========================================================= フロマンに呼びつけられた甘利大臣 =========================================================== きょう2月14日の各紙が報じている。 甘利TPP担当大臣が急きょ訪米することになったと。 これはただ事ではない。 2月末からシンガポールで始まる最後のTPP閣僚交渉を控えて、どうしてもフロマン代表と話をする必要があるのだ。 そう思っていたら朝日が解説してくれた。 きょう2月14日の朝日はこう書いている。 米国と新興国の対立解消が進む中で、コメや牛肉などで関税撤廃に難色を示す日本が孤立する可能性が出てきたため、フロマン代表との直談判で交渉を進展させる狙いがある、と。 なるほど、米国に呼びつけられたのではなく日本のほうから積極的に対米外交を行うというわけだ。 そういうことだろう。甘利大臣のほうから訪米するのだ。 しかし、実態はその逆である。 フロマン代表は甘利大臣にこう言い続けてきたに違いない。 米国の立場ははっきりしている。それを繰り返しあらゆるレベルで伝えてきたじゃないか。これ以上話す事はない。それでも何か言いたいことがあればいつでも会ってやるからワシントンに来ればいい、と。 つまり甘利大臣はフロマン代表に実際は呼びつけられたのだ。 なぜそこまで日本はTPP交渉妥結に必死なのか。 その答えがきょう2月14日の日経新聞の記事にある。 すなわち米CSIS(米戦略国際問題研究所)所長のジョン・ハレム氏はワシントン支局の吉野直也記者のインタビューで次のように答えている。 すなわちオバマ大統領の4月の訪日では、日米間のすべての問題が議題になるがその中でも、最も重要なのは環太平洋経済連携協定(TPP)になる、と。 オバマ大統領はTPP交渉を妥結させなければならない、と。 オバマ氏はアベノミックスの成功を祝福し、同時に構造改革を進めるよう促すだろう、と。 このハレム氏の言葉にすべてがある。 安倍首相は4月のオバマ大統領の訪日を何としてでも成功させなければならない。 その弱みをついて米国はTPP交渉における日本の完全譲歩を迫る。 それでは安倍首相としてはあまりにも日本国民に説明できないから、その代わりに米国がアベノミックスを評価し、安倍政権を支持していることを表明する事を米国から取り付ける。 このシナリオが必要なのは日本だ。 だからその準備の為に甘利大臣は米国に行くのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)