□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月10日第137号 ■ ========================================================= 日本史がいつまでたっても必須科目にならない理由を知りたい =========================================================== 2月9日の日経新聞に大島三緒論説副委員長の「日曜に考える」という論評があった。 その論評の結論は、日本史と世界史を統合科目にして受験の必修科目にしたらどうかというものだ。 その結論の是非が問題ではない。 大島氏がその結論に至る原因であるこの国の学習指導要領の問題点に気づいたからだ。 大島氏はこう指摘する。 日本史なんて高校で一度も勉強していないという若者が多い。その理由は現行の学習指導要領では世界史は必修だが、日本史は地理との選択制だから、高校生の3割ほどは日本史を学ばずに卒業する。日本史を履修したとしても、受験する大学によっては入試に必要がないからまるで頭に残っていないことも多いだろう、と。 大島氏は続ける。日本史を選択科目にするかどうかは文部科学省がつくる学習指導要領によってきめられるが、この半世紀の学習指導要領の変遷の一大論争点であったのだ、と。 そして日本史必修は1960年代に作られた学習指導要領によって一時導入された事があったが、まもなくまた選択科目に戻り、現行の指導要領の骨格が出来たのは1989年の学習指導要領の大改訂であったと。 その時はグローバル時代であったから世界史が必須だという声が強く、世界史派が寄り切ったという。 そして大島氏は言う。ここにきて日本史重視論が出てきている、それは「自国の誇りある歴史」を学ばせて「自虐史観」から脱却し、近現代の日本の軌跡を肯定的に、明るくとらえるべきだという考え方からだ、と。 こう書いたうえで大島氏は冒頭の結論を唱える。 すなわち日本史を必修にするかどうかの神学論争に陥るより、世界史と日本史を統合した歴史教育を必修にしたらどうかと。 私はそのような大きな歴史教育の転換を行う前に、一日も早く日本史を必修にすべきだと思う。 必須である以上日本史をどう教えるか、その内容について合意しなければいけない。 いくら自虐史観から脱却したくても、史実を捻じ曲げる事はできない。 史実はすでに膨大な資料によって明らかになっている。 それを自虐史観と決めつけて否定するような者たちは日本史が必修になればすべて受験に受からない落第者になる。 その筆頭が安倍首相とそのお友達だ。 その落第者が大きな顔をしてこの日本を支配している。 落第者に支配されてはたまらない。 だから日本史が必修にならなかったのではないのか。 私は一日も早く日本史が必修科目となることを期待する(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)