□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月28日第95号 ■ ========================================================= 靖国参拝失敗の検証記事をこの時期に掲げた朝日の意図 =========================================================== きょう1月28日の朝日は一面トップと二面を使って、昨年12月26日に行われた安倍首相の靖国参拝についての検証記事を大きく掲げている。 その内容の多くは、すでに各紙が断片的に推測記事として書いて来たことだ。 しかし、これほど総括的に、そして断定的に、多くの日米両政府関係者の証言を引用して書かれた検証記事ははじめてである。 そしてその内容は極めて深刻だ。 すなわち、政府内部のあらゆる関係者が懸念を抱いていたにも関わらず、誰も反対の声を出せずに訪問を許したこと とくに外務省の衝撃と落胆は大きく、「参拝すれば日本外交の底が抜ける」とまで認識していたのに止められず、今省内では虚脱感が漂っていること 安倍首相でさえも当初はためらっていたが、側近議員(古屋圭司拉致担当相、衛藤晟一首相補佐官、山谷えり子参院議員ら)におされて決断したこと、 その根拠が、「関係が改善し、首脳会談が行われると参拝できなくなるから、関係が非常に厳しい今しか参拝の機会はない」という本末転倒の判断があったこと、 米国の判断を見誤り怒らせたこと、その背景には辺野古移転の決断を米国は評価するだろうという甘い読みがあったこと、 米国の「失望」はオバマ政権の総意であり、もっとも強く「失望」したのは、オバマ政権と米国議会の調整役を一手に引き受けているバイデン副大統領であったこと これで米国議会と安倍政権の関係も悪影響が出かねないこと 事態がここまで深刻になっているというのに、誰も安倍首相を止められず、「関係修復どころか、総理が再び参拝するかもしれない」(政府関係者)という懸念があること もはや米国は従軍慰安婦問題と靖国問題では韓国の立場を理解し、集団的自衛権の行使うをめぐる韓国の立場(朝鮮半島では行使させない)にも理解を示すようになっていること 以上が朝日の検証記事の骨子であるが、これは驚くべき深刻な検証記事である。 注目すべきは朝日がこの時期に一面トップでこれを大きく書いたことだ。 朝日は今や日本の大手メディアの中では最も米国に近く、日米同盟関係をもっとも重視しているメディアである。 その朝日が安倍首相の靖国参拝問題について、ここまで警鐘を鳴らすことは非常事態であるということだ。 安倍首相はもはや右翼側近を切り捨て、米国の意向を受け入れるしかない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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