□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月2日第4号 ■ ========================================================= 今年は「国際的テロとの戦い」元年になるだろう =========================================================== 米国のブッシュ大統領がテロとの戦いを宣言した時、それはもっぱら米国・イスラエルとアラブの武装抵抗組織との戦いであった。 それから10年たち、どうやら今年は、テロとの戦いが世界の覇権国家の共通の戦いになる年になりそうだ。 一ヵ月後に始まるソチ五輪を標的にして年末に立て続けに起きたロシアの自爆テロ。 それを報じる記事の隣に、中国新疆ウイグルで起きた分離・独立派組織の襲撃事件を報じる記事があった。 中東のテロがあとを絶たない事は言うまでもない。 その中でも一番深刻なのはエジプト情勢である。 クーデターで政権をとった暫定政権はその後もムスリム同胞団への弾圧を緩めず、ついに「テロ組織」とみなして非合法化した。 これほど深刻な状況はない。 間違いなくエジプトはテロに分断された混乱の国になる。 エジプトがテロとの戦いの主戦場になれば中東は収拾がつかなくなる。 なぜテロが起きるのか。 ロシアのテロ続発について元旦の日経新聞がQ&Aで次のように答えていた。 貧困と失業がテロの温床になっている、と。 それは半分はただしい。 しかし大きな点を見落としている。 失業や貧困だけでは自爆テロは起こらない。 反政府運動を自爆テロに追い込むのは、軍事覇権国家の絶対的な武力による弱者への弾圧がある。 この救い難い絶望が弱者を自爆テロに追い込むのだ。 プーチン大統領は「テロリストを全滅させる」と宣言したらしい。 米国は「テロに立ち向かうロシアの人々と連携している」として米国の全面的支援を表明したらしい。 中国もまた武装グループを組織的、計画的暴力テロ事件と認定して徹底弾圧を表明している。 米中露という軍事的覇権国家が見事に対テロ戦争で国際的連帯を深めつつあるということだ。 これではテロはなくならない。 米中露は、お互いの軍事的脅威をけん制しながらも、目の前のテロとの戦いを優先せざるを得ない。 そのために協力し合わなければいけない。 そういう時代が始まろうとしているのだ。 米国との軍事同盟ばかりを重視する日本は世界の動きを見誤っているのだ。 テロとの戦いから最も無縁な日本は、これからの世界で最も優位な立場にあるはずだった。 それをみすみす捨てて米国の後を追いかけ、その上に中国と敵対しようとしている。 なんという愚かな道を歩もうとしていることか。 その誤りを正そうとする政治家が権力側の中から出てくるだろうか。 出てくるとすればそれは誰か。 今年もまたこの事が私の最大の関心事となる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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