□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月24日第976号 ■ ============================================================= 安倍首相のソチ五輪欠席をスクープ報道した読売新聞 ============================================================ スクープ報道と言ってもこればかりは何の価値もない。 きょう12月24日の読売新聞が他紙にさきがけて書いた。 安倍首相がソチ五輪の開会式を欠席する意向を固めたと。 その記事の要旨はこうだ。 安倍首相は、来年2月7日にロシア南部ソチで開かれる冬季五輪の開会式に出席しない方針を固めた。国会開会中であるうえ、7日が「北方領土の日」に当たることを考慮したが。ただ五輪期間中(2月23日まで)にソチを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を開く方針である。 私は12月20日のメルマガ第967号「ソチ五輪ボイコットで露呈した安倍・プーチン良好関係の的外れ」で書いた。 西側主要国首脳が軒並みにソチ五輪をボイコットしているというのに日本の首脳だけが開会式に出席するとしたら笑いものになると。 あれほど嫌っている中国の国家主席と並んで開会式に臨み、プーチン大統領にゴマをする安倍首相の姿は、これ以上ないパロディになると。 そして12月21日のメルマガ第972号「安倍首相がソチ五輪に出席しなくて済む口実が見つかった!」で書いた。 喜べ、ソチ五輪開会式に出席しなくて済む絶好の言い訳が見つかった。開会式の2月7日は北方領土の日だ。そちらを優先してソチ五輪開会式を欠席すれば恥をかかなくて済む。しかも北方領土返還に対する安倍首相の強い意気込みを伝えることができて一石二鳥だと。 その通りの展開になった。 しかし、この読売新聞は、私の思いつかなかった事を同時に教えてくれている。 それは開会式には欠席するが、五輪開会中のいずれかの時期には訪ソして、プーチン大統領と首脳会談を開く事を安倍首相は考えているというのだ。 その前に外務事務次官級の協議を東京で来年1月末に開催し、その結果を踏まえて首脳会談で北方領土問題について意見交換をすると。 どこまで行ってもピント外れの男だ。 日本の官僚がロシアの官僚と話し合って領土問題が進展するとでも思っているのだろうか。 プーチン大統領が北方領土を返してくれると本気で思っているのだろうか。 本気でそう思っているなら安倍首相は救い難い外交音痴だ。 もし北方領土が返って来ないことを知りながら訪ソするなら、とんでもない税金の無駄遣いだ。 どっちに転んでもまともな外交ではない。 果たして大手紙やメディアは読売新聞が流したこのスクープ記事を、これからどのように後追い報道するつもりだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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