□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月20日第969号 ■ ============================================================= 米国と日本の駐中国大使人事に見る対中外交のかくも大きな違い ============================================================ オバマ大統領は、米国の次期駐中国大使にマックス・ボーカー上院議員(72)を起用する方針を固めたという。 ボーカス議員は上院財政委員会の委員長として中国に対し人民元改革や経済の透明化を求めていた議員であるという。 TPPも含めた米議会の通商政策に大きな影響力を持つ重鎮であるという。 これを要するに米国の国益をかけて中国と渡り合える政治影響力のある人物を起用したということだ。 ボーカス大使が米国の国益をぶつけて中国政府とどのように交渉するか、そして米国はそのようなボーカス大使をどのように迎えるか、それは未知数だ。 しかし少なくともオバマ大統領はボーカス大使に期待して、中国側にオバマ政権の政策を伝え、米国の国益を実現しようとすることは確かだ。 ひるがえって日本の木寺昌人駐中国大使はどうか。 いまから一年前に民主党政権の政治任用で起用された丹羽宇一郎民間大使の迷走の後に逆戻りした外務官僚大使である。 着任して1年になるのに、その活動振りがメディアでただの一度も報じられたことのない大使だ。 そう思っていたら発売中の情報月刊誌ファクタ1月号の「さまよう安倍『対中外交』」という記事の中で次のようなエピソードが書かれていた。 すなわち日本企業の代表らが訪中して中国側要人と話し合おうとしたとき、木寺駐中国大使がその訪中団に対し、自分も同行させてもらえないか、訪問先の要人にはまだ会ったことがないので、挨拶だけでもさせて欲しい、と頼み込んで訪中団の参加者をあきれさせたというエピソードだ。 その記事は、木寺大使は着任以来、中国メディアの取材を受けるぐらいで大使館に閉じこもっていたらしいと書いている。 まさかそんなことは無いと思う。 しかし民間訪中団の参加者からこのような事を言われるようではダメだ。 こんな事を記事に書かれるようではダメだ。 ひょっとして、本当に木寺大使はこの一年間、まともに中国の要人と会っていないのかもしれない。 そう思わせる木寺大使の存在感のなさである。 ボーカス大使任命の人事報道をみて、日米駐中国大使人事のかくも大きな違いを実感させられる。 それは取りも直さず対中国外交にかける日米両政府の真剣度の違いでもある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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