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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

米中戦争は決して起こらない2大理由
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年12月20日第968号 ■   =============================================================                                    米中戦争は決して起こらない2大理由     ============================================================  安倍首相がここまで中国を敵視できるのも日米同盟によって日本が守られているという思い込みがあるからだ。  しかし、それが間違いである2大理由を最近の報道から見つけたのでそれを紹介したい。  一つはきょう12月20日の産経新聞が掲載していた、中国が北米全土を射程に入れた新ミサイル実験に成功したという報道だ。  これまでにも中国は同様のミサイル実験を行なっており、そのつどその能力について議論が繰り返されて来た。  しかしこの産経新聞の記事で注目されるのは、中国には北米のほぼ全域を核弾頭搭載のミサイルで攻撃できる能力があることを米国防当局者がはっきりと認めているところだ。  まさしく相互確証破壊(一方が核兵器を使えば最終的に双方が必ず破滅する)の論理が米中間で適用されるということだ。  かつて米ソが冷戦を戦ったとき、この相互確証破壊によって戦争は起こらないまま冷戦は終った。  これを要するに、たとえ万が一、日中間に有事が起き、そして米国が日米同盟の下に日本の味方をするとしても、米国が中国と戦争することはあり得ないということだ。  米国が中国と戦おうとしないのに、どうして中国が米国と戦うのか。  そんな事はありえない。  万が一起きた日中間の有事は、たちまち封じ込められ、二度とそのような軍事衝突が起きないように米中の間で軍事衝突回避のシステムが構築されることになる。  安倍首相が軍事力を強化して中国と敵対しようとしている事が、いかに馬鹿げた愚行であるかということだ。  もう一つの記事は、12月15日の日経新聞「日曜に考える」で書かれていたリーマンショックの際の中国の対応である。  その要旨はこうだ。  すなわちリーマン・ブラザーズ破綻から約2ヶ月後のある夜、胡錦涛主席は大統領選挙で勝ったばかりのオバマ氏に電話を入れて、近く開かれる金融サミットでのリーマン・ショック対策につい米国の意見を聞いたという。中国が4兆人民元(当時のレートで57兆円)という未曾有の規模の財政出動を発表したのはそれから8日後の2008年11月9日夜だったという。  日経新聞はこの巨額の財政出動こそ世界経済を崩壊の淵から救ったのだと買いている。  いうまでもなく金融資本力は軍事力と並んで米国覇権主義の車の両輪だ。  その金融資本力を中国の金融資本力が助けたということだ。  もちろんそれは自分(中国)のためでもある。  それから数年たち、いまや人民元は一大国際通貨となりつつある。  中国の金融資本力は当時に比べさらに強化されているに違いない。  米中は世界の金融市場を支配するためにも協力関係にならざるを得ないのだ。  米中関係は、利害共有国としてお互いをけん制しながら、われわれが考える以上にはるかに深く、広く進んでいるに違いない。  安倍首相は自らピエロを演じるのは勝手だが、日本をこれ以上馬鹿な目にあわせてはいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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