□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月19日第966号 ■ ============================================================= ケリー米国務長官が日本の集団的自衛権行使を歓迎した理由 ============================================================ きょう12月19日の読売新聞がワシントン発今井隆記者の記事として報じていた。 ケリー国務長官が日本政府が国家安全保障戦略を決定したことについて、これを高く評価したと。 しかし米国は日本が集団的自衛権行使できるようになり、敵基地攻撃能力を持つことを警戒していたはずではなかったのか。 矛盾するのではないか。 その答えはイエスでありノーである。 米国は使い分けているのだ。 日本が中国と戦うために集団的自衛権の行使を容認したり敵基地攻撃能力を高める事には米国は慎重であり、必要としていない。 しかし米国のテロとの戦いの為に自衛隊が地球の裏にまで行けるようになることや、駆けつけ警護ができるようになることにはもろ手を挙げて賛成するのだ。 安倍首相の思惑と正反対の意味で国家安全保障戦略を歓迎しているのだ。 そして日本の国家安全保障戦略の実行の際は米国の思惑が優先され、米国の戦略に従属させられることになる。 きょう12月19日の東京新聞「こちら特報部」で「集団的自衛権容認の先を読む」と題してこう書いている。 日本と紛争のない国との戦争を自衛隊が担うことに道を開く集団的自衛権の行使容認に向け、安倍政権がまた一歩にじり寄ったと。 17日に閣議決定された初の国家安全保障戦略がそれだ、と。 政権周辺では中国の脅威論から日米の軍事同盟強化が語られがちだが、同時にそれは世界規模での米国への「恨み」を分かつことにもなると。 それはとりもなおさず親日であったイスラム圏を敵に回すことであり、反米テロの標的になりかねないということだ、と。 その通りだ。 日米安保で対応できる中国の脅威については、米国は日本の集団的自衛権行使は必要でもなく、望んでもいない。 その一方で米国はテロとの戦いの負担をもはや米国だけで負担することは不可能であり得策ではないと考えている。 すなわち日本に分担させようとしているのだ。 きょう12月19日の朝日新聞が書いていた。 南スーダンの内戦が悪化してきたのでスーダンの平和維持活動に参加してきた自衛隊の活動を一時停止したと。 テロとの戦いではそのような勝手な事は許されない。 自衛隊の犠牲者も覚悟しておかなくてはならない。 その覚悟が安倍首相にあるのか。 自衛隊にあるのか。 集団的自衛権行使を容認するということはそういう事なのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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