□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月19日第965号 ■ ============================================================= なぜ沖縄は敗れたのか ============================================================ 他紙に先駆けてきょう12月19日の産経新聞が一面トップで書いた。 仲井真知事が18日、政府の埋め立て申請を承認する方針を固めたと。 もはやそれしかないと思わせる客観情勢であったが、ここまではっきりと報道したのはこの産経の記事がはじめだ。 そしておそらくその通りになるのだろう。 なぜ沖縄は破れたのか。 辺野古移転反対の沖縄住民や国民は、まだ敗れていない、戦いはこれからだ、政府が強行すれば流血が起きる、と言うだろう。 そうかもしれない。 しかし政治ゲームには負けたのだ。 潔くそれを認めるべきだ。 何故政治ゲームに負けたのか。 それは仲井真知事の反対理由が間違っていたからだ。 沖縄の負担軽減を叫び続けた。 それなら応じてやろうと、政府はオスプレイ訓練を全国に分散させ、米軍基地の機能の一部を本土に持って行った。 本土の沖縄化という平等化である。 日米地位協定の改定をしてくれと求め続けた。 それでは応じてやると環境条項を追加することをほのめかした。 米軍の治外法権を無くす本質的な改定は絶対認めないが、どうでもいい改定なら応じる。それでも改定は改定だ。いやがる米国に応じさせた、どうだ、というわけだ。 負担の見返りが欲しいという。 お安い御用だ。金で片付くならいくらでも予算をばら撒いてやる。 安倍首相と菅官房長官にそう応じられたら、もはや仲井真知事は断る理由を失う。 そもそも反対の理由が間違っているのだ。 「沖縄から米軍基地を縮小、撤廃してくれ」という事だけをひたすら言い続けていればよかったのだ。 県外移転などという事を言うのではなく、沖縄の苦しみを他県に押し付けることは沖縄には出来ない、という当たり前の事を言うだけでよかったのだ。 もちろん、仲井真知事はそれらをすべてわかっていながら政府に注文をつけてきたのだろう。 こういう決着になることを想定して政府に注文をつけていたのだろう。 もし仲井真知事が、辞任と引き換えに申請許可を行なえば許されると思っているとしたら大間違いである。 沖縄に米軍基地を固定化させてしまった最初で最後の沖縄県知事として歴史にその名を刻むことになる。 二度と沖縄の地を踏まないという覚悟が必要だ。 それを覚悟した上で沖縄県知事の再選を望んで立候補し、そのとおり政府に協力したとしたらたいした度胸である。 そんな仲井真知事を再選させた沖縄県民は、今後沖縄が米軍からどのような被害を受けようとも二度と文句を言えないということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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