□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月18日第960号 ■ ============================================================= 「あり得ない誤解だ」と愚痴った菅官房長官の大いなる誤解 ============================================================ 世論調査の支持率急降下がよほどショックだったに違いない。 菅官房長官は秘密保護法案について国民は誤解をしていると16日の記者会見で愚痴ったらしい。 しかしこれは大いなる誤解だ。 世論調査で支持率が降下した理由は、なにも秘密保護法案の強行採決のせいばかりではない。 支持率降下が顕著にあらわれている世論調査結果を発表した12月17日の産経新聞でさえ、その解説記事の中でこう書いている。 これまで高支持率を支えてきたアベノミックスへの期待値が急速に低下していると。 秘密保護法がそれに追い打ちをかけたのだと。 世論調査の支持率下落を秘密保護法案の不人気のせいにするだけでは安倍不人気の本質を見誤る愚をおかすことになるのである。 しかし菅官房長官の大いなる誤解はそれだけではない。 秘密保護法案に対する世論の危惧がまるでわかっていないのだ。 菅官房長官はこういって世論の反発は誤解だと切り捨てた。 「映画監督が映画をつくれなくなるとか、オスプレイをスマホで撮ってメールすると逮捕されるとか、あり得ないことが報道されていることが(支持率低下に)大きく影響している」と。 確かに秘密保護法案を批判する者の中には、あり得ないと思われる事までも、何でもかんでも秘密防止法案のせいにして批判する者も見受けられる。 しかし、それは秘密保護法案の自業自得だ。 秘密保護法案を強行採決して成立させた安倍・菅自民党政権の自業自得だ。 あの欠陥法案を読めば、あり得ないことでもあり得ると危険視するのは止むを得ない。 それほどいい加減で、どうとでも解釈できる欠陥法案であるからだ。 「映画がつくれなくなる」と危惧することがどうしてあり得ない危惧なのか。 あの法案のどこを読んでも、「映画がつくれなくなる」という懸念を100%払拭してくれる条項はない。 つまり「映画がつくれなくなる」という危惧は、誤解でもなんでもなく現実に存在する危惧なのである。 同様に「オスプレイをスマホで撮ってメールで流したら逮捕される」ということが「あり得ない」とは、あの法案のどこを読んでも断言できない。 もし菅官房長官がそれらの懸念を「ありえない誤解だ」と切り捨てるのなら、それが100%「あり得ない」ということを挙証する責任は菅官房長官にある。 挙証できるのか。 できるはずがない。 あの法案のどこを読んでもそれを挙証できる文言はどこにもない。 それほど不明な法案なのである。 すべては起案者である政府と官僚の裁量にゆだねられる事になる。 だからこそ世論の多くは秘密保護法案に反対なのだ。 だからこそ秘密保護法案は危険で廃案するしかないのだ。 そんな法案を強行採決する安部自民党政権が世論の支持を失うのは当然だ。 10%程度の支持率低下は、まだ小さすぎると喜ぶべきだ。 「ありえない誤解だ」などととぼけた批判をしているようでは支持率はさらに下るだろう。 クビを洗って覚悟しておいたほうがよいということだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加