□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月16日第955号 ■ ============================================================= 無条件で埋め立て承認を迫った米国の強圧ぶり ============================================================ ワシントン発共同が辺野古移転問題で大スクープを流した。 すなわち米政府高官が日本側に対し、日本政府が沖縄県に提出した埋め立て申請は、部隊運用などの条件を示すことなく、無条件で承認されるべきであるとの認識を伝えていたことが15日わかった、という記事だ。 ついに米国が本性を見せたということだ。 この記事では、その要求が米側の誰から日本側の誰になされたかは明らかにされていない。 しかし文脈からみて明らかだ。 米国のジャパンハンドラーと呼ばれる外交・安保の政府関係者から日本の外務省や防衛省の官僚に伝えられたものだ。 決してオバマ大統領やケリー、ヘーゲル国務、国防長官などが安倍首相や関係閣僚に伝えたものではない。 国民の痛みに配慮する政治指導者が、このような事を、たとえ日本に対してであっても、高圧的に伝えるということはあり得ない。 残念な事は日米間の最重要政策である辺野古移転問題でさえも、米国首脳は官僚に委ねているということだ。 かくして日米安保ムラの官僚やブレーンたちが日米同盟関係の中味を決めることになる。 だからたちが悪い。 やり口が巧妙なのだ。 そして日本側は無条件でそれを飲まされることになる。 承認すれば基地負担軽減など沖縄支援策というアメはいくらでも与えるという。 日米地位協定の改定さえも環境問題を手始めに応じていくという。 オスプレイ訓練の県外移転やその他の米軍基地機能の一部は県外に移転するという。 それでも応じないならば普天間基地の返還はできなくなる、基地が固定化する、と脅す。 ここまで言われれば、仲井真知事でなくても断ることは難しいだろう。 しかし、その実態は、米国にとって譲歩するものは何もない。 それどころか辺野古に新たに造られる最新型の巨大飛行場によって米軍の沖縄支配、日本支配が強化、固定化されることになる。 さすがの私も、このような形で辺野古移転さえもがあっさり承認され、日米同盟関係が固定化されていくようだと、もはや何を言ってもムダだという気にさせられる。 この共同通信のスクープは、だから私にとって極めて重大な意味を持つ。 こんな重要な共同通信のスクープを、きょう12月16日の大手新聞各紙は一切報道していない。 私がこのニュースを知ったのは栃木県の地方紙である下野新聞が一面トップで掲載したからだ。 おそらくきょうの夕刊あたりからメディアは一斉に報じるだろう。 それでも、この共同通信のスクープ記事について、大手新聞が独自の取材でさらに詳しく調査報道してくれればメディアの価値はある。 しかしおそらくそうはならないだろう。 この共同通信のスクープを繰り返すだけだろう。 沖縄住民や日本国民の反発を買うような報道をして辺野古移転に反対する声が高まるような事にでもなれば、安倍政権にとって不都合だからだ。 果たしてこの共同通信のスクープ記事は仲井真知事の年末の決定にどのような影響を与えるのだろうか。 来年1月19日の沖縄名護市長選に向けてどのような影響を与えるのだろうか。 いまや私の最大の関心事は沖縄問題である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加