□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年12月15日第952号 ■ ============================================================= 小泉さん、いまこそ行動しなければダメだよ ============================================================ 小泉元首相の近況を語る極めて興味深い記事をきょう12月15日の朝日新聞にみつけた。 それは「ザ・コラム」というオピニオン欄で、編集委員の大久保真紀という記者が書いている記事だ。 その記事の要旨はこうである。すなわち11月10日の紙面で大久保記者が小泉元首相の事を書いた事があった。 その記事は、ドミニカ共和国に移住した人たちが「日本政府にだまされた」と損害賠償請求訴訟を起こした時、国が勝訴したのに、当時の小泉首相が「政府として率直に反省しお詫びします」と非を認めた談話を出したことで、国の対応は180度転換した、という記事だ。大久保記者はその記事を「政治家が方向性をうち出さない限り官僚は動かない。それが日本の現実だ」と締めくくっていた。 実は私もこの記事をその通りだと思って読み、メルマガで取り上げようと思ったことがあったのでよく覚えている。 ところがその記事には意外な展開があったのだ。 その事をこの「ザ・コラム」で知った。 すなわちその記事から2日後の11月12日に小泉元首相から大久保記者に電話があり、食事をしようと伝えて来たという。 それに応じた大久保記者が食事の模様を「ザ・コラム」で次のように書いているのだ。 原発推進から原発ゼロの心を揺り動かされた一番大きなものは何ですかと聞いたら次のような言葉が返ってきたという。 「電事連(電気事業連合会)の言っていること、ウソじゃん」と。「専門家が『安全で、コストが安い』、『脱石油にはこれしかない』と言えば信用しますよ。こっちは原子力の知識なんかないんだから。3・11前はそんな関心もなかったし。あれほど制御しがたいものとは知らなかった」と。 そして、だまされたと思ったんですかと聞く大久保記者に対し「そうだよ。思ったよ」と答えたという。 さすがに大久保記者も、5年半も首相を務めた最高権力者がだまされたと嘆き、怒っているとは、などとあきれた振りをしてみせる。 福島への被災者への言及は一言もなかったことを暗に批判している。 しかし、「よくよく考えれば、正確な判断材料が一国の命運を左右する首相に示されないなんて、日本はとんでもない国だ」、「小泉さんの変節は人間として何となく納得できるような気がした」などと書いている。 そして小泉首相との会食は3時間近く続き、話は映画や読書、ゴルフ、演劇にも及んだ事を書いている。 別れ際に「(きょうのこと)書きますので」と言うと、小泉さんはアッハッハと高笑いし、片手を上げて去って行ったと締めくくっている。 この記事で分かったことは何か。 それは小泉元首相がメディアの影響力をよく知っていることだ。 自分の事について書かれている事を注意深く読んでいるということだ。 そして自分の事をよく書いてくれる者にはわざわざ食事を誘うほど喜ぶということだ。 権力者に奢ってもらう記者は批判的な事は書けないということだ。 しかし、私は書くことができる。 小泉さん、脱原発が正しいと思ったのなら行動しなければダメだ。 その時は今しかないでしょう、と。 彼はあの時と同じように再び言うだろう。 天木の名前を俺の前で口にするなと。 そんな事を言っているようではダメだ。 このまま小泉元首相が何の行動も起こさないようであれば、あの時と同じように「コイズミ、出て来い」と私は言うしかないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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