□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月15日第349号 ■ ============================================================== これはもう一つの問題発言ではないか ============================================================== 問題発言が続く中で、これはもう一つの問題発言になるのではないか。 そう思わせる発言をきょう5月15日の毎日新聞で見つけた。 倉重篤郎専門編集委員が書く論評「水説」にこう紹介されていた。 5月11日に開かれた日韓両国の有識者による「日韓未来対話」の場で、日本側座長の小倉和夫氏(74)が次のように語ったというのだ。 「ベトナム人は反韓国的な人が多い。なぜなら、ベトナム戦争で(韓国軍に)ベトナム人を多数殺されたからだ。そのベトナム人に聞かれたことがある。『韓国人に謝られたらどうしたらいいか。日本人は謝るのに慣れているから教えてほしい』と・・・」 冗談めかした発言だが、踏み込んだきわどい発言だ。 小倉氏は駐ベトナム、駐韓国を勤めたアジア通と言われている元外交官だ。 その人物の発言の持つ意味は重い。 歴史認識で日本を批判し続ける韓国への皮肉なのか、謝罪外交に汲々とする日本へのやるせなさのなせる業か、いずれにしても私はこの発言は不適切だと思う。 この発言を毎日新聞紙上で紹介した倉重専門編集委員は、この「日韓未来対話」とそれを仕掛けた言論NPO代表の工藤泰志氏(55)を次のように評価して書いている。 日韓双方から10人ずつ、政治家、学者、記者ら両国関係のウオッチャーたちが交互に発言、会場からの質問にも応じ、インターネットで生中継した。日韓間の行き違いが目立ったが聞き応えのある本音トークもあり、政府間外交を補う民間外交の試みとしては成功したと言える、と。 そうだろうか。 私はこの小倉氏の発言は、それが大きくメディアに取り上げられて一般国民が広く知るようになれば、彼が今は民間人とはいえ、元駐ベトナム、駐韓国の大使を歴任した政府高官である以上、問題発言になりうるほどの発言だと思う。 歴史認識問題は議論する問題ではない。 本音を語り合えば理解が進むという話でもない。 少しでも客観的真実に迫る努力を行い、それを謙虚に受け入れる勇気と潔さを持つ、間違った事は素直に反省する、それに尽きると思う(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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