□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月10日第336号 ■ ============================================================== 「図々しい」という言葉が似合う川口順子という政治家 ============================================================== 川口順子参院環境委員長の解任劇騒動は5月9日の参院本会議で野党が一致して解任決議案に賛成したことによりあっさり幕が引かれた。 私はこのバカ騒ぎが表面化したとき、「久しぶりに国会の駆け引きが面白くなってきた」と皮肉を込めて私のブログで書いた。 政策で一致する事は少ない野党でも国会軽視問題となると結束する。 日本維新の会、みんなの党から始まって共産党も含め野党が一致して解任を求める。 いいじゃないか。野党が頑張る時は「いまでしょ!」だ。これで川口委員長のクビをとることが出来なければ、安倍自民党政権になめられ切った今の野党は今度こそおしまいだ、とけしかけた。 それに発奮したかどうかは知らないが野党は見事に解任決議を成立させて川口委員長を解任した。 しかしこの解任劇ではそもそも川口委員長に勝ち目はなかった。 なぜか。それは川口議員の中国滞在延期の理由が嘘だったからだ。 滞在延長の理由とされる楊潔篪国務委員(外交担当)との会談なるものの実態が疑われていたからだ。 そして国会での追及などを通じてそれが嘘だったことがばれた。 つまり、一対一の会談などではなく、講演会の場でその他大勢の出席者の中に混じって話しかけたに過ぎないものであったのだ。 いわゆる外務省がよく使う手である。 立ち話で二言、三言言葉を交わす、あるいは走り寄って袖をつかんで言葉を投げかける、これでも会談であると僭称するいつもの手口だ。 そんなものが会談と言えるわけがない。 しかし川口順子議員は解任されたでも恥ずべきところはない。 産経新聞のインタビューに答えて、「野党は憲政史上初めて数を頼みに党利党略に走った。歴史の目、国民の目で裁かれていく」などと高飛車に言っている(5月10日産経) しかし私が驚いたのはその後に続く次の言葉だ。 楊潔篪氏との会談について問われて次のように答えているのである。 「内容は言えないが中国の外交政策について話を受けた。外交の原則を述べていた。平和問題も強調していた」 なんだこれは。 立ち話さえもしていないのだ。 楊潔篪氏の講演を聞いていただけなのだ。 安倍首相や自民党さえも欺いていたのだ。 それを真に受けて「国益と環境委員会のどっちが重要なのだ」などと反論する自民党やメディアや識者は、みな騙されていたということだ。 解任されてなおこんなインタビューに応じる川口順子という政治家はよほど図々しいに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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