□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年4月1日第234号 ■ ============================================================== □■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年4月1日第234号 ■ ============================================================== TPP反対論者は、もはやだまって眺めているだけでいい ============================================================== 私は繰り返し書いてきた。 安倍首相が自らの責任と権限でTPP交渉参加を決断したのだから、反対論者はいまさらその決断を撤回せよなどと声を上げるのではなく、黙ってみていればいいだけだと。 これからどんどんと不都合な情報や動きが出てきて、安倍首相の意思とは無関係にTPP交渉は行き詰まると。 そんな交渉をさせられる官僚たちは貧乏くじを引かされたのだと。 それにも関わらずTPP交渉に関する記事は続く。 取材は続く。 そして次々とさらなる情報が明らかになる。 私も次々とTPPに関する事を言ったり書いたりすることになる。 それほど興味満載のTPPなのである。 今日発売の週刊プレーボーイと明日発売の写真週刊誌フラッシュに、TPPに関する私のコメントが掲載される。 いずれも、先週に取材を受けたものだ。 その私のコメントを待つまでもなく、毎日のようにメディアはTPP交渉の不都合を書き始めた。 きょう4月1日の東京新聞は書いている。 貿易自由化交渉は乱立していると。TPPのほかにFTA、EPA、RCEPなどが一斉に動き出した。世界では200を超える数にのぼる。どうするんだと。 毎日新聞はWTOの次期事務局長に立候補したインドネシアの観光・創造経済相の言葉を引用してこう書いている。 「(TPP交渉参加はにより)我が国は多くの法律や規則を変えなくてはならず、受け入れられるか見定める必要がある」、「閉ざされた貿易圏をつくるのではなく、東アジアの経済圏統合に向け、開放をめざすべきだ」と。 極めつけは日経新聞の、こんなはずではなかった、という記事だ。 そこには「オバマ大統領とは握ったはずだ、それなのに何故オバマ大統領の動きは鈍いのか」と言う安部首相の焦りが書かれていた。 TPPについてはオバマ大統領には決定権はない、米国議会が決める、という米国の仕組みを知らない無知をさらした安倍首相だ。 その日経新聞は3月30日の別の記事でこう書いていた。 「貿易相手国の市場開放に向け、TPAを巡る作業を始めたい」 米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は最近の米上院財政委員会でこう表明したという。 TPAとは2007年に失効していた貿易促進権限のことである。 俗称ファストトラック(追い越し車線)と呼ばれるもので、外国との通商協定案について米大統領が一括・無修正の審議を米議会に求める権利のことである。 つまりこの権限がないと、いくらオバマ大統領が相手国と合意しても米国議会で否定されたら終わりだ。 いくらでも変更させられる。 いくらでも米国の要求は高まるということだ。 このファストトラックについては、米国との通商交渉を長年繰り返してきた日本の官僚たちは皆知っていることだ。 その交渉権を米国の大統領は207年夏以降失効していたのだ。 オバマ大統領はこれまでのTPP交渉において権限なく交渉してきたのだ。 オバマ大統領が各国に秘密交渉を求めて来た理由がここにある。 オバマ大統領は米国議会にさえも知らせていなかったのだ。 それが徐々に米国議会の知るところとなった。 オバマ大統領が議会に対して細心の注意を払わなければならない理由がここにある。 オバマ大統領の本当の交渉相手は米国議会なのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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