□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月23日第205号 ■ ============================================================== 「円安容認とTPP交渉参加の取引」はあったのか ============================================================== 2月末の訪米後から、安倍首相が矢継ぎ早に強行姿勢を示し始めたと思うのは私一人ではないだろう。 明らかにオバマ大統領との間でなんらかの話し合いが行われたに違いない。 そのうちのひとつに円安誘導を容認してやる代わりにTPP交渉参加の早期表明を行うという取引説がある。 この憶測はいくつかのメディアで見られてきたが、ここまではっきり書いたものはこれが初めてだ。 すなわち発売中の週刊現代3月30日号において、ワシントン政界の取材を30年以上も続けるフリージャーナリストの堀田桂男氏が次のように語っている。 私がアメリカ側の各方面に取材を行ったところ、どうやら円安容認とTPPの交換という密約があったようだ、と。 すなわち、アベノミックスをテコにどうしても7月の参院選を乗り切りたい安倍首相はそれまではどうしても円安ドル高が続いて欲しい。その一方でオバマ大統領はTPP交渉の年内妥結を公約している。そのためには日本の早期参加表明が好ましい。そこで取引が成立したというのだ。 輸出倍増で雇用を増やしたいオバマ大統領にとって日本の円安誘導は都合が悪い。 米国は都合が悪い事はすかさず日本に注文をつけてくるのが常だ。 ところが今回の円安誘導に限っては沈黙している。 すなわち円安によるマイナスをはるかに上回る利益が日本のTPP参加により期待できるというわけだ。 果たしてそのような密約がオバマ大統領と安倍首相の間で交わされたのか。 それはもちろん我々にはわからない。 あったとしてもそれが確認されることはない。 しかし堀田氏の次の物言いは妙に説得力がある。 「参院選で自民党が勝ちさえすれば、残り3年余りのオバマ政権の間は、日本では安倍政権となる。つまりオバマ政権と安倍政権は完全な共同歩調を取ろうと示し合わせたのだ。(しかし)共同歩調を取るとは、日本がアメリカに従属することと同義だ。換言すれば日本のTPP交渉参加は国益のためではなく安倍首相自信の保身のためということである・・・」 この堀田氏の見立てが正しければ、これから猛烈な勢いで対米従属政策が進むことになる。 そしてその兆候は表れている(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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