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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

慰安婦談話の見直しを放棄させられた安倍首相 
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■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年3月19日第192号 ■   ==============================================================   慰安婦談話の見直しを放棄させられた安倍首相       ==============================================================  これは大事件である。  きょうの19日の各紙が小さく報じていた。しかし大きな意味を持つ記事だ。  安倍首相は、いわゆる従軍慰安婦問題に関する新しい政府談話を、戦後70年の節目にあたる2015年に発表する事を目指す考えを明らかにしたと。  その事をきのう18日に発売された韓国誌「月刊朝鮮」のインタビューの中で語ったと。  これは事実上の見直し延期だ。断念だ。  いうまでもなく安倍首相の持論は、従軍慰安婦は存在しなかったというものだ。  そしてその考えを自民党総裁選前から繰り返し、首相になっても続けた。  たちどころに内外の批判を浴びて軌道修正した。  すなわち、従来の政府談話は維持するが、新しい未来志向の安倍談話を近く発表するという形で菅義偉官房長官に語らせた。  私はそれを知って、これは面白い事になってきた、と思った。  なぜならば、中途半端な談話を出すなら更に問題を大きくさせると思ったからだ。  その談話を作るのは難しい作業となると思ったからだ。  案の定、いつまでたっても新談話の話は出てこなくなった。  そう思っていた矢先のきょうのニュースである。  談話の発表は2年後の2015年であるという。  そんな先の事などもはや誰も関心はない。  国際情勢はどうなっているかわからないし、安倍首相自身が総理であるかどうかさえわからない。  これは事実上の談話見直しの封印だ。  米国からそんな馬鹿な事をするなと命じられ、そうしますと約束させられたのだ。  このニュースは、2月の安倍首相の訪米の隠された最大の目的が、歴史認識の封印と引きかえに米国に政権支持を約束してもらう事だったという噂が本当だった事を物語っている。  それにしても、このような重大な発表を国民の前で行なうことなくきのう18日に発売された韓国の月刊誌「月刊朝鮮」とのインタビューの記事という形でしか、我々国民は知らされない。  しかもこのインタビュー記事の取材は訪米が終ってしばらくたった3月2日に官邸で行なわれたという。  そんなインタビューを行なっていたことさえ我々には一切知らされない。  恥ずかしくて日本国民の前で話せなかったということなのだろう。  日本のメディアも舐められたものだ。  あるいは日本のメディアは安倍首相と結託して報じなかったのだろうか。  どこまで行っても矛盾を抱えた安倍首相である。  自分の信念を変えてまで米国に従属する。これまでの首相と同じだ。  いや、最初から対米従属を宣言している小泉、野田のような首相ならわかりやすくていい。  しかし戦後レジームから決別して日本を取り戻すと繰り返している安倍首相がここまで対米従属になる。  これ以上ない情けなさである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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