□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月9日第174号 ■ ============================================================== 「運命の人」の妻啓子さんの逝去を悼む ============================================================== うかつにも私は知らなかった。「運命の人」西山太吉さん(81)の妻である啓子さんが2月22日に逝去されていたことを。享年78歳だったという。 その事を私はきょう3月9日の毎日新聞「時流 底流」というコラムで知った。 啓子さんの半生を描いたノンフィクション「ふたつの嘘」(講談社)の著者である諸永裕司氏が書いていた。 鉄の壁のように政府が密約を否定する中、啓子さんは夫に語りかけたという。「いつか必ずあなたが正しいと証明される日が来るから」と。 夫の不実に傷つきながらも、政府の嘘を暴いた夫の行為は正しいと信じ続けたその姿は、山崎豊子の小説「運命の人」のテレビドラマとなって松たか子が演じて全国に放映された。 「こんな劇的な人生ってなかなかないでしょう。(西山さんと)一緒に暮らしてきたのも悪くなかったのかもしれないわ」 そう啓子さんは諸永さんに語ったという。 妻を亡くした西山さんは、葬儀でこう語ったという。 「啓子がいたから私は闘ってこられた。『お前は、ひとりで生きていけるのか』と、天が私に与えた罰なのだと思う」 西山さんと啓子さんの人生を翻弄し続けてきた国の嘘。 政府は今も、正式には認めていない。 沖縄密約情報公開訴訟でも原告は高裁で逆転敗訴し、上告中だ。 最高裁で勝ったら目を入れよう。啓子さんが夫とそう約束しただるまが残された、と諸永氏のその記事は結んでいる。 私が西山太吉さんを小倉に訪ねたのは昨年3月29日だった。 その時の模様を私は2012年3月29日のメルマガ号外で書いた。 ホテルでの待ち合わせに遅れた西山さんが家を出たかどうかを確かめるため私は自宅に電話した。その時、「たったいま出かけて行きました」と電話口に語った人が、今から思うと啓子さんだったのだ。 私は弔慰を伝えたくて西山さんに電話したがつながらなかった。 留守電の支持どおりファックスを入れてメッセージを残した。 一年前、私がインターネット政党の構想を伝えた時、応援はするがもう歳だから候補者の一人になることは勘弁してくれと言われた。 私はあらためて西山さんをたずね、立候補をお願いしに行こうと思っている。 世間をあっと驚かせるインターネット政党の候補者10人の一人として、今度こそ西山さんの名前を連ね、必ず政治家になってもらおうと思っている。 政治家になって国家に嘘を認めさせ、妻啓子さんとの思いを遂げてもらうと私は決めたのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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