□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月5日第163号 ■ ============================================================== これこそが「キャスティングボート」であるという皮肉 ============================================================== 「首相、安倍晋三の勢いが止まらない。やることなすことズバズバ的中する・・・」 こういう書き出しで始まる「永田町ライブ」という政局コラムが発売中の週刊ダイヤモンド3月9日号に掲載されている。 書いているのは後藤謙次という元共同通信編集局長だ。 去る2月26日の参院本会議で2012年の補正予算案がねじれ参院にもかかわらず117票対116票の一票差で可決された。 それを引き合いに出して、もはや安倍政権に擦り寄る議員が続出し始めた、安倍自民党政権が日増しに強固になりつつある、などと誉めそやす提灯記事だ。 しかし私の関心はそこにはない。 その記事ではじめて知った。 キャスティングボートを握った一人の政治家とは誰か。 それは民主党から新党大地に鞍替えしたあの「女子プロゴルファーの父」という名の国会議員である。 娘の女子プロゴルファーには何の罪もない。 女子プロゴルファーの父親だから問題だと言っているのではない。 問題は、その国会議員が過去6年間もの間、国会議員として国民のために一体何をしたというのかということだ。 6年近くも民主党に属したにもかかわらず新党大地に鞍替した理由に正統性があるのかということだ。 法案投票の時だけ国会に登場する税金泥棒のような政治屋の見本のような国会議員ではないか。 その国会議員は2012年度補正予算案が復興という名のばら撒きであり、流用に満ち溢れたものばかりである事を知った上で賛成票を投じたというのか。 しかし一票は一票だ。 しかもその一票で13兆円を超す補正予算が成立した。 参院のねじれがねじれでなくなり、安倍首相を得意満面にさせた。 値千金の一票だ。 文字通りその女子プロゴルファーの父親議員は政局を左右するキャスティングボートを行使したというわけだ。 何という皮肉であろうか。 こんな政治こそ私は怒りを込めて否定する(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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