□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月1日第148号 ■ ============================================================== まぼろしに終ったF35戦闘機に絡んだ武器輸出三原則の見直し ============================================================== 私の手元に2月19日付の産経新聞の記事がある。 その記事は日本の部品が使われているF35戦闘機に関し、もしF35がイスラエルに売却されるようになれば武器輸出三原則に反する事になる。果たして安倍自民党政権は武器三原則を緩和するのか、と言う記事だ。 そしてその産経の記事はこう書いていた。 政府は2月26日にも官房長官談話を発表する。その中で菅官房長官は、「日本独自の技術が輸出されるわけではない」という理由で、現行の武器輸出三原則を放棄するものでも、武器輸出三原則に抵触するものでもない、という見解を述べることになる、と。 とんでもない屁理屈である。 F35機のイスラエル売却は米国の意思だ。 その米国に逆らえない日本政府は、それを率直に認めて武器輸出三原則の変更に踏み切ったほうがはるかに潔い。 国民の反発を押し切って見直しを決断する度胸もなく、国民を欺くようなこんなふざけた官房長官談話を発表できるものならやってみろ。 そう思って私は26日の官房長官談話を楽しみに待っていた。 ところが何時までたってもF35戦闘機に関する官房長官談話が出たという話は聞かない。 そこでもう一度2月19日の産経新聞の記事を読み直して見た。 するとそこにこのようなくだりがあったことに気づいた。 「・・・政府部内では21日からの安倍晋三首相の訪米を念頭に、官房長官談話を2月19日にも出す方向で調整、ただ、最終的には『訪米のお土産にはならない』(政府首脳)との判断に傾いた・・・」 なるほど、訪米のお土産にならないのであれば急ぐ必要はない。 そして訪米が終った後なら、論議を呼ぶような武器輸出三原則の見直しなどわざわざ行なう必要もない。 だから2月26日の官房長官談話は幻に終ったに違いない。 そう思っていたらやっとわかった。 なぜ訪米のお土産にならなかったのかが。 そして2月26日に予定されていた官房長官談話さえもが延期されたことが。 2月25日の朝日が報じた。 米国防総省は開発中の最新鋭ステルス戦闘機F35のエンジンに不具合があったとして全機種の試験飛行を停止したと発表したと。 とんでもない事が起きていたのだ。 イスラエルへの売却どころではない。F35はいまだ未完の機種なのだ。 そんな未完のF35を何故日本だけが率先して購入するのか。 そうなのだ。やっとこれで符合する。 欠陥戦闘機であるF35を無理して導入する日本こそ、この欠陥戦闘機の研究開発・補修の拠点を引き受ける事になっているのである。 F35導入がらみの記事から目が離せない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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