□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年1月31日第84号 ■ ============================================================== ルース米駐日大使が安倍首相に送った強烈なメッセージ ============================================================== 1月30日の読売新聞に奴隷制度廃止に向けて日米で協力しようというルース米駐日大使の寄稿が掲載されていた。 その要旨はおよそ次の如くだ。 すなわち今年はリンカーン米大統領が奴隷廃止宣言を行なって150年目に当たる。そしていまオバマ大統領はこの崇高な宣言を再確認した。残念ながら世界中でいまだその理想が達成されたとは言いがたい。多くの国々で人権侵害が放置されている。人身売買や移民規制、少女売春などもその一つだ。日本は人権侵害についてよくやっているほうだがまだ法的に未整備なところがある。米国は現代の奴隷解放に強くコミットしており日本がそんな米国の努力のよきパートナーとなることを期待する。 外国の駐日大使が日本のメディアに寄稿する時は、その国の政府や国民にメッセージを送る時であると相場は決まっている。 なぜ唐突に駐米大使が日本の大手新聞に奴隷解放に関する日米協力を持ち出したか。 そこには隠された強烈なメッセージが込められているのだ。 一つはハーグ条約に早く日本も加盟しろということだ。 なにしろ離婚した親が子どもを本国に連れ去ることは拉致とみなすのが米国だ。 そしてもう一つは従軍慰安婦問題を否定する事は許されないというメッセージである。 おりからニューヨーク州上院は超党派で強制従軍慰安婦は「人道に反する罪」であるという議決案を採択した。 「人道に反する罪」とは懐かしい言葉だ。 その通りである。東京裁判で米国がA級戦犯を裁いた時の法理だ。 「戦後レジーム」からの脱却は安倍首相の持論である。 そんな安倍首相にオバマ大統領は戦後レジームを否定する事は許さないと釘を刺しているのだ。 2月の訪米ではハーグ条約と慰安婦問題でオバマ大統領が安倍首相に念を押すことになるとルース大使は言っているのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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