□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年1月29日第77号 ■ ============================================================== 原発を止めたい者たちはいまこそ原子力規制委員会を応援すべきだ ============================================================== 私は1月14日のメルマガ第33号「原子力規制委員会は健闘しているのではないか」で書いた。 原子力ムラの住人が委員長になるような原子力規制委員会などは脱原発の敵だとさんざん批判された原子力規制委員会であるが、その後の動きを見ていると結構健闘しているのではないか、と。 それに対し認識が甘いという読者からの声が読者から寄せられ、私は再びメルマガ1月20日第51号「原子力規制委員会は健闘しているのではないか(続)」の中で書いた。 それでも原子力委員会は健闘していると思う、脱原発の人たちは闘うべき相手を見誤ってはいけない、と。 いまでは健闘しているどころか原子力規制委員会は原発推進の権力側と戦っているヒーローの如くだ。 原発を稼動させたくないと願う脱原発主義者はいまこそ原子力規制委員会を応援すべきである。 私がそう思うのには三つの理由がある。 一つは原子力規制委員会が活断層の有無について断固として譲らない姿勢を見せていることだ。 このまま行けば原発再稼動は難しく廃炉に追い込まれる原発が出てくるということだ。 もっとも正確に言えば原子力規制委員会の専門家チームが、専門家の良心として政治的圧力に負けるわけにはいかないと頑張っている事が評価されるべきと言うべきだが、その専門家の意見を尊重して、原発推進の安倍政権や通産官僚、日本電源らと闘う姿勢を見せる原子力規制委員会の田中委員長や島崎委員長代理をやはり評価しなくてはならない。 二つには原子力規制委員会が原子炉の建設・稼動に際し高い安全基準を課そうとしていることだ。 これでは電力会社は経済的に原発維持や原発新規建設などできなくなる。 日本政府もその財政負担をおいそれと税金で負担できない。 高い安全基準を課すということは結果的に原発維持は採算が取れないと言っているようなものだ。 そして三番目に、これが最も重要なことであるが、安倍自民党政権が衆議院に原子力問題特別委員会を設置し、原子力規制委員会を監視するだけでなく、原発の安全評価までも政府に提言できるようにしようとしていることだ。 おまけに委員長に任命された森英介元法務大臣はいわゆる小沢一郎の国策捜査に加担した一人であり、権力側の手先のような政治家だ。 田中委員長率いる原子力規制委員会はいまでは原発に関しては完全に反権力側に立っている。 インフレターゲットに反対しておきながら安倍政権がそれを強行したら、抗議して辞めるどころか、それが正しいと豹変して恬として恥じない白川総裁率いる日銀とくらべれば、その反骨ぶりは明らかである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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