□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年10月7日第750号 ■ ============================================================== 仲井真沖縄知事は辞任覚悟でオスプレイ中止を迫るしかない ============================================================== 沖縄住民の反対を一顧だにせず、野田首相はオスプレイの沖縄配備を 完了させた。 これは驚くべき暴挙である。 沖縄に対する米軍基地おしつけの数々の暴挙の中でもこれほど沖縄を 無視したものは後にも先にもないだろう。 しかしそのことに対する国民の反応はにぶい。 全国大手紙の取り上げ方も、反対こそすれ野田政権に米国との再交渉 を本気で迫る論調は皆無だ。 これが日本の現実である。 皆がわかっているのに対米従属から自立しようとしない。米国による 占領状態をあきらめ顔でやり過ごしてしまう。 何をためらっているのか。何をおそれているのか。 日米が合意した運行ルール違反が次々と報道されている。 学校の上を避けて飛ぶはずが無視され、基地と訓練内に限って行な うヘリモード(垂直離着陸)飛行が堂々と市街地で行なわれている。 これに対して玄葉外相は米国に遵守を申し入れるなどと目玉を剥いて 語っているがまるで歌舞伎役者だ。 国民を相手の下手な芝居だ。 そもそも合意はなかったのだ。 「できる限り」、「可能な限り」という前提つきの合意は合意ではない。 すべては米国の裁量に任せられているのだ。 これこそが日米同盟の正体である。主権の放棄である。 オスプレイを阻止できるかどうかは、最後は沖縄住民がどこまで闘うかだ。 そして沖縄住民が選んだ仲井真知事がその闘いの先頭にどこまで本気で立 つかである。 そしてここからがこのメルマガで私が書きたい事である。 仲井真知事は沖縄知事再選の時に、それまでの立場を変えて普天間移転 反対を訴えて勝利した。 それは卑怯な勝利だった。 しかし私はそれを逆手にとって褒め殺せばいいと書いた。 よくぞ普天間反対に心変わりしてくれた。再選された以上最後まで反対を 貫いて欲しい。それでこそ沖縄知事だ。再選された価値がある、と。 その褒め殺しが利いたかどうかはわからないが、その後の仲井真知事の 普天間移設反対は揺るがないように見える。 そして今度のオスプレイだ。 私はさる9月9日に行なわれた沖縄県民反対10万人集会に仲井真知事が 欠席したというニュースを知った時、やはり仲井真知事は信用できない食わ せ者だと思ってそのニュースを受け止めた。 そして後日知った。代読メッセージが読まれたとき、罵声があびせかけられ、 皮肉にも反対集会がその瞬間に一番盛り上がったという事を(月刊エルネオス 12月10月号)。 なぜ欠席したのか。政府からの一括補助金狙いだという。仲井真知事の政治 基盤を強化する武器だからだ。 おろかだ。県民の予想外の強い反発を招き一括交付金どころではなくなった という。 そのためであろう。オスプレイに反対する仲井真知事の姿勢がここにきて 強まってきたように思える。 仲井真知事は連休明けの9日、野田首相と会談し、配備撤回を改めて求める という(10月7日毎日ほか)。 私は仲井真知事が野田首相にどのような態度で迫るかに注目している。 もはや口先だけの撤回要求では無意味だ。 厚顔な対米従属の野田首相はびくともしない。 それをわかった上での形式的な撤回要求であれば今度こそ仲井真知事はお終い だろう。 オスプレイ配備を阻止できなくていまさら沖縄知事にこだわる意味がどこに あるのか。 残された人生を晴れ晴れと生きていくためには沖縄住民とともに生きるしか ない。 仲井真知事よ。密かに辞表を携えて迫るのだ。 脅しではなく、野田首相の返答如何によってはその場で辞表を手渡すのだ。 オスプレイ配備が撤回されない限り自分は知事を続けることはできないと。 自分の後にどのような知事が選ばれようとオスプレイ配備が撤回されない限り その知事は沖縄県民の支持を得ることは出来ないと明言して辞表を手渡すのだ。 その時初めて私は仲井真知事を褒め称える。 これが私の究極の褒め殺しである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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