□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月19日第473号 ■ ============================================================== 消費税増税騒ぎは原発事故責任追及回避のめくらましに違いない ============================================================== 読者からのメールに今こそ野田民主党政権の最大の国家犯罪である 原発事故処理の欺瞞を追及しなければならないという指摘があった。 まさしく私が強調したい事である。 消費税増税問題や、それを対立軸にした政局は確かに国民の大きな 関心事ではある。 しかし、いま本当に我々が政府の胸ぐらをつかまえて詰め寄らなけ ればならないのは福島原発事故への緊急かつ正しい対応である。 6月18日の朝日新聞が、原発事故直後における汚染地図について、 それを米国から提供されていたにもかかわらず、政府は国民に知らせず、 結果として多くの住民が汚染地域を避難先や避難経路に選んだという大 スクープを一面に掲載した。 これは内閣総辞職ものの国家犯罪である。 この事一つで内閣が吹っ飛ぶような重大な事件だ。 ところがこの大スクープが消費税増税政局やオームやスキャンダルで かき消された。 スクープを掲載した朝日新聞もそれを追及する様子はない。 それだけではない。 実際のところ原発事故問題に対する政府の対応にはあきれ返るもの ばかりだ。 今でも被曝にさらされている福島の母子たち。 除染やガレキ処理という大問題。 次々と発覚する天下り、情報隠蔽、東電救済などの原子力ムラの復活。 当然にように語られる電力料金値上げと、その価格にさらに上積み される新エネルギー買取制度。 東電生き残りの負担をすべて国民に転嫁する暴挙だ。 そんな中での大飯原発再稼動の強行決定だ。 こればかりは立ち場の違いを越えて皆が批判している。 原発問題ほど言い逃れすることのできないものはない。 それにもかかわらず原発問題が政局になることはない。 なぜか。 実は原発問題こそ日米同盟と並んでこの国の権力犯罪に深く関わって いる問題であるからだ。 それだけは、決して国民の手に触れさせてはいけないのだ。 原発問題で倒閣をおこそうと叫ぶような者は、あたかも日米同盟を 否定する者とおなじように、政治家であっても許されないのだ。 あの橋下さえあっというまに変節させられた。 いまの日本の最大の闇の部分である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)