□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月12日第450号 ■ ============================================================== 野田首相の増税強行、原発再稼動強行を止められない政治の無力 ============================================================== 私は繰り返し書いてきた。 消費税増税よりも先に大飯原発再稼動の決断で野田首相は窮地に立た されることになると。 ところがそうではなかった。 野田首相は週内にも大飯原発再稼動の最終決定を下すが、同時に、 社会保障と税の一体改革関連法案についても強行突破するという。 そしてともに強行突破することによって危機を乗り切ろうとして いる。 その時期が6月15日か16日であるという。 これをきょう6月12日の東京新聞が一面トップで大きく書いた。 すなわち重要な政策決定は、他の重要な出来事と一緒に行なえば 国民の関心を分散させ、国民の批判もそらせることが出来るという。 つまり国民の怒りが大飯原発再に向けられているドサクサにまぎれ て消費税増税の決断も行なうのである。 しかもその時に他の問題が重なればなおさら国民の関心は分散する。 実際のところ、大飯原発再稼動について関係4閣僚が方針決定した 4月13日は北朝鮮のミサイル発射が行なわれ、危機対応で政府が 混乱してきた時だった。 それから約1ヶ月半たって、再稼動に向けて周辺自治体の理解が得 られつつあると4閣僚会合が認定したのは5月30日。小沢一郎と 野田首相の第一回目の会談に国民の目が奪われている時だった。 このような事を東京新聞が一面トップで書いているのである。 これは異例な記事だ。 東京新聞がそこまで書かなければならないほど今の野田政権は異常 な状況にあるということだ。 この調子で行けばひょっとして6月15日か16日にはオームの 高橋容疑者逮捕のニュースが流されるのではないかと思えてくる。 実際のところ、社会保障と税の一体改革も大飯原発再稼動も、何も まとまらず、問題の解決もなされていない。 それでも強行するという。 それにもかかわらず政治にまるで緊迫感がない。 民主党内にも、自民党内にも、何があっても野田首相の強行を阻止 するという気迫が見られない。 きょうの国会質疑を聞いていても時間つぶしの如くだ。 あれほど国会優先だと叫んで首相の無用な外遊を認めなかった国会は、 今度の野田首相のメキシコ訪問については止めろとは言わない。 止めて、重要な国内問題に専念せよとは言わない。 さりとて政治が八百長に終始しているとは思えない。 野田、小沢、輿石が裏で手を結んでいるとは思えない。 野田民主党執行部と谷垣自民党が大連立で合意しているとは 思えない。 これを要するにこの国の政治は機能していないのではないか。 政治家たちは何をしていいのかわからないのではないか。 壮大な真空状態が起きているような気がする。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)