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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

本気で追及すれば野田政権が吹っ飛ぶかもしれない中国スパイ事件
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月30日第416号 ■   ==============================================================  本気で追及すれば野田政権が吹っ飛ぶかもしれない中国スパイ事件  ==============================================================  さぞかし野田民主党政権は驚いていることだろう。  ただでさえ政権の行方が絶望的なところに、ダメ押しのように中国 スパイ事件が炸裂したからだ。  国民にとっては寝耳に水の中国スパイ事件だ。  しかしこれは政府関係者にとっては突然でも何でもない。  かねてからヤバイと認識されていた問題だ。  それがニュースになってしまったのだ。  この問題の本質はスパイ事件ではない。  カネに絡んだ問題だ。場合によっては贈収賄につながる事件だ。  しかも野田民主党政権が直接に関与する問題だ。  だから深刻なのである。  中国大使館は「日本の報道は荒唐無稽だ」と即座に否定している。  しかしそれは「スパイ行為をしたとの一部マスコミ報道」が事実 無根だと言っているに過ぎない。  そしてそれはある意味で正しい。  何がスパイ行為なのかは議論が平行線で終わることと相場は決まっ ている。  だから中国政府はスパイなどやっていないと否定し続けることは 可能だ。  しかし日本の警察当局が指摘しているのは現職の一等書記官が 外国人登録証明書を不正に使って金儲けをしていたという疑いである。  外交人登録法違反(虚偽申告)であり、ウィーン条約違反であると いう疑いである。  一等書記官が大使館員の立場を悪用して金儲けや贈収賄まがいの 不正をしていたという次元の低い問題である可能性が高い。  この点についての中国側の対応は不明だ。  中国とすればこんな問題で日中関係が損なわれるのは不本意な はずだ。  この一等書記官を急遽帰国させ、なんらかの処分をして終わらせる つもりだろう。  中国側はそれでいいとしても、この問題の深刻性は日本側にある。  この一等書記官と密接な関係を保っていた民主党政権関係者の責任 は、スパイ行為があったかどうかとは無関係に厳しく追及されなけれ ばならない。  これはこよなく日本側の問題である。  日本の政局に絡む大きなスキャンダルなのである。  5月30日の朝日新聞は前原政調会長がこの一等書記官が不正に 外国人登録証を更新した疑いのある情報を外相時代に聞いていた事を 5月29日の記者会見であっさり認めた事を書いている。  問題意識がありながら見逃していたということだ。  5月30日の産経新聞は「野田首相に『こういうことになるから 事前に調べなさい』と言ったのに、野田首相は『国会で質疑している ので結構だ』と言った」という認識の甘さを嘆く西田昌司参院議員の 言葉を掲載している。  5月30日の読売新聞の記事はもっと深刻だ。  コメをはじめとした日本の農産物の対中輸出促進事業に熱心だった 筒井信隆副大臣について、「なぜそこまで深入りするのか」と農水省 内にいぶかる声が上がっていた事を書いている。鹿野農相の責任に までも繋がりかねない可能性を書いている。  5月30日の産経新聞は、この一等書記官と民主党との関係について 捜査の進展次第では野田政権を直撃する可能性がある、「(社団法人 農林資産物等中国輸出促進)協議会と一等書記官の関係を追及されたら (鹿野農水相との関係が明るみになり)危ないことになると政権中枢は 動揺している」(ある省庁幹部)と書いている。  実はこの中国スパイ事件は日本の政局に絡んだスキャンダルなのだ。  関係者はみな知っているスキャンダルなのだ。  ここまで表面化しないだろうと油断していたのだ。  これを政局にしてはならないと野田執行部は必死だろう。  仙谷政調会長代行などは圧力をかけるのだろう。  おそらく野田政権はこの問題についてこれ以上の捜査が行なわれない ようにもみ消すことになるだろう。  小沢事件の捏造と同じように、時の権力と警察、司法、メディアの 不透明な関係が放置されて終わる。                              了                                   おしらせ  5月26日に有料メールマガジン読者限定で生配信した「天木×植草の 時事対談」についてアーカイブ動画の販売が以下の通り開始されました。 ●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 http://foomii.com/00057/2012052815000010123 【販売価格:315円(税込)】 ダイジェストはこちら ⇒ http://bit.ly/LuxRKE なお、次回の時事対談のライブ配信は、6月30日を予定しています。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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