□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月21日第397号 ■ ============================================================== あまりにも見え透いた田代検事の懲戒処分 ============================================================== きょう5月21日の朝日新聞が書いていた。 虚偽の捜査報告書を書いた東京地検特捜部の田代政弘検事(45)に 対し「不適切な取調べだった」と断定したうえで懲戒処分することと した、と。 その検察は、決して田代検事を起訴しようとしない。 「意図的に虚偽の内容を記載したことを裏付ける証拠は得られない」 として近く、嫌疑不十分で不起訴処分にするという(5月18日日経)。 あまりにも見え透いている。 もはや検察の不手際は認めざるを得ない。 誤りを犯した検事は厳しく処罰せざるを得ない。 場合によっては検察組織の改変までも手をつけるかもしれない。 しかし決して関係者の起訴だけは行なわないのだ。 これは村木元厚生労働省局長の冤罪事件の際のフロッピー改ざん事件 に関し、大坪弘道大阪地検特捜部長らをはやばやと起訴したことと あまりにも対照的だ。 なぜか。 それは裁判にして小沢強制起訴の疑惑が蒸し返される事をおそれる からだ。 裁判の過程で小沢事件が単に検察だけの犯罪ではなく政治家や最高裁 までも巻き込んだ一大国家犯罪であったことが明らかにされるからだ。 朝日新聞の記事はこう書いている。 東京地検は近く法務省と協議した上で、内部調査の結果を公表すると。 その内部調査においては、田代検事の上司であった当時の岩村修二 東京地検検事正(現名古屋高検検事長)までも参考人聴取していたという (5月18日日経)。 おそらく近く公表されるという内部調査報告書は検察に厳しいものに なるだろう。 しかし、これは見せかけの厳しさだ。 検察にはこの際悪役を引き受けてもらうが、その検察の犠牲と引き換え にこの国の権力中枢の犯罪はこれ以上追及させないという、メッセージ なのである。 それを許してはならない。 疑惑を疑惑のまま見逃しては、国家権力の犯罪は繰り返されることに なる。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)