□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月14日第377号 ■ ============================================================== あまりにも不毛な日中韓サミットと野田首脳外交の空虚さ ============================================================== 米国公式訪問とその際に行なわれた首脳会談がいかに内容のないもの であったか。それは米国紙が酷評したばかりであった。 今度は野田首相の北京訪問と日中韓サミットだ。 報じられているところによれば唯一の成果が日中韓FTAの年内交渉 入りの合意であるという。 日中韓FTAの合意ではない。 合意されたのは交渉入りするということである。 しかも今ではなく年内までに、だ。 おまけにその交渉入りさえも互いの国の思惑が異なって不透明という。 二国間の首脳会談に至っては尖閣諸島と慰安婦問題で話がかみ合わ なかった。 いずれも歴史認識の絡んだ大きな政治問題だ。 よほど周到な準備と政治決断がない限り進展するはずがないことは 皆が知っている。 そしていまの野田政権にそれが皆無であることも明らかだ。 しかも報道は尖閣諸島問題の対立ばかりを取り上げるが慰安婦問題は 無視である。 もっとも難しい問題だからだ。 おどろくべきは野田首相の隠蔽だ。 すなわち野田首相は13日の夜の北京での記者会見では、個別首脳 会談で、尖閣問題、慰安婦問題に関するやり取りがあった事を明らかに しなかったという(5月14日産経新聞)。 おどろくべき隠蔽体質だ。 こんな首脳会談に何の意味があるのか。 しかし野田首相には外遊が続く。 よくそんな暇があるものだ。 5月18日から米国で開かれるサミットに出席し、6月にはメキシコ で開かれる主要20カ国首脳会談(G-20)に出席するという。 そこでプーチン大統領と北方領土問題を交渉するという。 だれが本気で北方領土問題が進展すると思うだろう。 お膳立てをする官僚も、演じる野田首相も、そして報道するメディア もむなしいと思わないのか。 プーチン大統領もサミットを欠席することにした。 野田首相もサミットを欠席して消費税増税関連法案の成立に命をかけ たらどうか。 そうすれば大したものだ。 消費税増税法案の成立に政治生命を賭けるという言葉を少しぐらいは 信じてもよい。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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