□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月7日第359号 ■ ============================================================== 慰安婦問題から目をそらしクールジャパンに奔走する外務官僚を嘆く ============================================================== 5月6日の新聞に日本外交の救い難さを実感させる記事があった。 一つはソウルに慰安婦博物館が完成したという記事だ(産経)。 もう一つは外務省が日本のアニメやファッションなどの魅力を 海外に広める「クールジャパン(かっこいい日本)」戦略の司令塔 としてあらたな課(広報文化戦略課)を今夏の組織改編でつくる ことにしたという記事だ(読売)。 本来やるべき外交を、それが難しいからといって先送りし、民間 の力を活用したほうがはるかに効率的なことにエネルギーを費やする。 これほど本末転倒な外交はない。 慰安婦問題は日本外交が取り組むべき最も重要な喫緊の課題だ。 ソウルの日本大使館前に慰安婦の像が設立された。 そして今度は慰安婦博物館の設置だ。 報道によれば慰安婦の像を全米でも多数つくる動きがあるという。 日本の恥部である慰安婦問題をこのような形で永久に残す事が どれほど日本の国益を害することか、日本の未来の世代にまでその恥 を負わせるあってはならない事である。 心ある日本国民であれば誰でもこの事に心を痛めている筈である。 何としてでも是正されなければならない。 そしてそれはこよなくこの国の指導者の責任である。 慰安婦問題は単なる人道上の問題にとどまらない。 こよなく政治的、外交的な問題だ。 ここまで米国や韓国で騒がれるのは、それが単に人道上許されない 問題であるという事だけではない。 それを利用して日本の立場を貶めるという政治的作為があることは 疑いない。 米国内には多数のロビー活動が行なわれている。 だからこそ日本政府は、そして外務省は、過去の過ちを正しく清算 し、そのような日本批判が再び起こらないように、韓国に対して、米国に 対して、政治・外交力で働きかけるべきなのだ。 それは容易なことではない。 一方において国内には慰安婦問題を認めない右翼的国民がいる。 他方において戦争の傷跡を容易に拭い去る事の出来ないアジアの 犠牲者がいる。 だからこそ政治が決断をするのだ。 外交力を発揮するのだ。 それが難しいからといって無策のままに先送りし続ける。 アニメやファッションの広報が悪いとは言わない。 しかしそれらの活動は官僚がやるべきことではない。 その分野における民間人に委ね、それを支援する事で十分だ。 やるべき外交から逃げ、民間人ができることに門外漢の官僚が首を突 っ込む。 そうしてカネとポストを増やそうとする。 いつからこんな情けない外務省になり下がってしまったのだろうか。 了 お知らせ ●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 小沢一郎氏裁判とはなんだったのか http://foomii.com/00057/201205021000009693 【販売価格:315円(税込)】 ダイジェストはこちらで見れます ⇒ http://bit.ly/JnSJxP 次回の時事対談のライブ配信は、5月26日を予定しています。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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