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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

指導者たちが競って脱原発を唱え出す日がやがて来る予感
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月6日第358号 ■   ==============================================================   指導者たちが競って脱原発を唱え出す日がやがて来る予感    ==============================================================  私は3月24日のメルマガ第241号で書いた。  野田首相にとって消費税増税より難しいのは原発再稼動の政治決断で はないかと。  予想通りその通りになった。  その結果、ついにこの国の原発がすべて停止した。  そしてあらためて全原発が停止し、その事を論評するきょう5月6日 の各紙の論調を読みながら、私は全原発停止の持つ意味の大きさに改め て気づいた。  おそらく今度の全原発停止によって日本の脱原発の方向は決定づけら れるだろう。  原発再稼動はますます難しくなり、いやおうでも脱原発の方向に向か わざるを得なくなるだろう。  「政府誤算 敗北の日」(東京)  「政府債稼動 狙いはずれ」(毎日)  という大きな見出しが示しているように、野田・枝野・仙谷民主党 政権にとっては全停止だけは避けたかったに違いない。  それが世論の反発と野田執行部の政治的無能さ、弱さによって避けら れなかったのだ。  その野田政権が、今後安全性を国民に納得させ、どこかの原発を再 稼動させるという政治決断ができるはずがない。  その決断を行なったときに起こる世論の反発に抗しきれるはずがない。  野田政権は消費税増税の前に原発政策で行き詰まったということだ。  やがて野田政権は終わる。  しかしどの様な政権が出来ようとも脱原発の流れを逆戻りさせること はできないだろう。  もちろん経済界の抵抗はある。  雇用を失う地元の苦悩はある。  電力会社の抵抗と電力会社を牛耳ろうとする経済産業省の官僚の意図 はある。  しかしそのような声や抵抗も国民全体の脱原発の声の前にやがて沈静 化していかざるをえない。  だからこそ、政府は一刻も早く脱原発の工程表をつくって皆を納得 させ、満足させる政策を加速する方向に大きく舵を切るべきなのだ。  原発に依存しなくても経済活動は大丈夫だ。  原発に依存しなくても地元経済は活性できる。  それをこの国の政治が示し、現実の政策によって裏打ちしていくのだ。  新エネルギー開発を進め、電力自由化を進め、エネルギー節約の気運 と技術革新によってあらたな産業を興すのだ。  あらたな生活スタイルを作りだすのだ。  そこに日本経済の新しいフロンティアを見出すのである。  その事を官僚たちに正しく命じる政治主導を発揮するのである。  その事を国民に示そうとする指導者が現れる日は間違いなく訪れる。  それどころか、皆が競ってその指導者になりたがるような時が、 やがてこの国に訪れる。  しかもその指導者は、脱原発を人気取りの道具や政治的道具に使うと いった浅ましい下心からではなく、真の脱原発者でなくては、たち どころに行き詰る。  脱原発の日本の実現。  それはこれまでの日本の政治では考えられなかったことだ。  それはもちろん脱原発を唱え、活動してきた人たちの地道な努力に 負うところが大きい。  しかし、もっと大きいのは、これまで無関心であった大多数の国民が 福島原発事故を目にして気づいたことだ。  誰からも押し付けられることなく自分自身でそう希望するようになっ たからだ。  そして政府・官僚への能力と意図に不信を抱いたからだ。  自分たちの生活は自分たちで守る。  自分たちの生活に影響を与える国の政策は自分たちでつくる。  この国民一人一人の自覚がすべての政策に影響力を与えるようになった 時、この国は変わって行くだろう。  その希望を予感させてくれた泊原発停止である。                           了             お知らせ  1.ツイッターを始めました。@amakinaoto の名前でつぶやいて います。  2.4月28日の植草さんとの対談を見逃された方々にアーカイブ 動画の販売が以下の通り開始されました。  サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談  小沢一郎氏裁判とはなんだったのか http://foomii.com/00057/201205021000009693 【販売価格:315円(税込)】  ダイジェストはこちら ⇒ http://bit.ly/JnSJxP  なお、次回の時事対談のライブ配信は、5月26日を予定しています。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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