□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月4日第351号 ■ ========================================================= 小沢一郎よ、みずから政策を国民に語れ ======================================================== きょう5月4日の産経新聞が、小沢グループが6月下旬をメドに 独自の政策提言をまとめる作業に入ったというスクープ記事を掲載 した。 私はこの動きを期待と不安を持って受けとめた。 その理由を書いて読者の意見を求めたい。 連休中の5月2日、私は西山太吉さんと電話で話す機会が あった。 私は3月29日に小倉に西山さんを尋ね、はじめて面談した。 その時西山さんはインターネットを使った事がないというので、 ぜひメールでやり取りしたいから始めて欲しいと頼み、わかったと いう約束を得た。 まだ始めていないという。 お願いしますよ、私でもインターネットを使っていますから、 ツイッターも始めましたから、インターネット政党に協力して もらえないじゃないですか、と言って、あらてめて頼み込み、 またわかったという約束を取りつけた。どうなることやら。 しかし、西山さんとの電話の中心はそのことではない。 無罪判決後の小沢一郎の行動についてだ。 私が3月29日に西山さんと会った時、西山さんが小沢一郎の 熱烈な支持者であることを知った。その事をメルマガでも書いた。 ところがこの時の西山さんの小沢に対する見方は厳しいものが あった。 小沢はなぜ自らの言葉で国民に政策を体系的に語らないのか。 無罪判決になってもこのままでは小沢は叩かれて終わるぞ。 実はこの見立てこそ私が感じていたことだった。 結論から言えば、いまこそ小沢氏は内政・外交のすべてにおい て自らの政策を明確に語らなければならないということで西山さん と私は一致した。 そのことこそが谷垣・野田の大連立、官僚、メディア、米国に よる小沢排除の唯一、最強の防衛策、対抗策であるのだ。 そんな西山さんとのやりとりの直後に、きょうの産経新聞だ。 だから私は驚きと喜びで受け止めた。 しかし、同時に大きな懸念を抱かざるをえない。 小沢グループの「新しい政策研究会」が勉強会を重ねてそれを まとめるという。 ここに危うさを直感した。 小沢派の議員やブレーンの期待に応えられる政策提言を作れる者 がいるだろうか。 中には自民、民主とと同じような考えの者もいる。 橋下維新の会の船中八策のように訳のわからないものに終わる おそれはないのか。 そうなったらお終いだ。 国民を奮い立たせることにはならない。 私はこの際小沢一郎が、あの田中角栄が日本列島改造論を書いた 時のように自らの考えを述べ、それをまとめさせる、そのような 小沢自身の政策とその背後にある思想がほとばしるものを発表し なければいけないと思っている。 そしてその政策や思想は、いわゆる自民、民主大連立の底に流れる 思想と政策の対極にあるものでなくてはならないと思っている。 すなわち脱官僚、消費税増税反対、TPP反対、脱原発、脱対米 従属外交、平和と人権を守る憲法堅持、これである。 官治から民治、国民第一の政治、政権交代の原点に戻るという事だ。 もちろん小沢一郎はそのような事を繰り返して発言してきた。 しかしそれらは断片的であり、あいまいだ。 時として矛盾する。 話す場面も国民に向かって行なっているわけではない。 だから政局がらみだと批判されるスキを与えるのである。 おそらく小沢一郎自身は、私が提唱する政策のすべてに同じ考え ではないかもしれない。 もともと小沢一郎は自民党の政治家だ。 対米外交にしても、消費税増税にしても原発にしても、確かに彼は かつては今と異なる発言をしてきたかもしれない。 しかし状況は変わる。人間の考え方も変わる。 いまははっきりと自民・民主大連立の考えと異なる考えだと公言 すればいいいのだ。 自分は生まれ変わったと言えばいいのだ。 もしろん国民の意見は分かれる。 それでいいのだ。 国民を二分してこそ政治だ。 米国を見よ。フランスを見よ。韓国を見よ。 まさしく国を二分する選択を行なおうとしているではないか。 公明党は国民の意志に従う。平和の敵にはなれない。 橋下はジレンマに追い込まれる。 小沢とは組めないかもしれないが、逆に自・民や石原の側につけば 橋下ブームは終わる。 みんなの党も股裂きになる。 江田憲司は反小沢だ。しかし渡辺喜美はふらつきっぱなしだ。 しょせんみんなの党は江田と渡辺に二分される党である。 小沢一郎がその覚悟を決めた時、本当の政界再編が起きることになる。 それ以外に小沢復活はない。 ましてや小沢がこの国を動かすことになることはない。 誰かがそれを早く小沢に伝えなければならない。 「あんたが小沢にそれを言えばいい。」 一言でいえばこれが西山氏が繰り返して電話口で私に語った事で あった。 「運命の人」のメッセージだ。 私は連休明けの早い時期になんとか小沢氏にそのメッセージを直言 したいと思っている。 そしてその政策を外国人特派員協会で語ってくれと言うつもりである。 早ければ早いほうがいい。 そうでなければ手遅れになる。 読者の皆さんはどう思われますか。 了 お知らせ。 リアルタイムで見られなかった方々に4月28日の「天木×植草の 時事対談」アーカイブ動画の販売を開始いたしました。 ●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 小沢一郎氏裁判とはなんだったのか http://foomii.com/00057/201205021000009693 【販売価格:315円(税込)】 ダイジェストはこちら ⇒ http://bit.ly/JnSJxP なお、次回の時事対談のライブ配信は、5月26日を予定しています。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加