□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月3日第350号 ■ ========================================================= パレスチナの日本政府代表に「大使」の称号を与える芝居 ======================================================== 誰も気づかないだろうが、こんな記事を見ると玄葉外相の芝居 を見せつけられる思いだ。 パレスチナ訪問中の玄葉外相が5月2日、パレスチナ自治政府の ファイヤード首相と会談した際、パレスチナのラマラに置かれている 日本政府代表部事務所長に「大使」の肩書きをつけると伝えたという。 これが5月3日の各紙に小さく報じられている。 その記事にはご丁寧に次のような解説がつけられている。 「特命全権大使ではないが、職務に当たる際に『大使』の名前を 使えるようにし、自治政府を支援する姿勢を改めて示す狙いだ」、と。 とんでもないごまかしだ。 もしパレスチナ自治政府を本気で支援するのなら特命全権大使を 任命すべきなのだ。 しかし日本政府は決してパレスチナに特命全権大使は派遣しない。 パレスチナを主権国家と認めることになるからだ。 そんな事をすれば米国、イスラエルが容赦しない。 だから名称だけの「大使」とする。それをもってパレスチナ自治政府 支援の姿勢を示すと語る。 これは同行する日本人記者に国内向けに書かせた記事だ。 日本国民向けのパフォーマンスなのである。 こんな事はパレスチナ自治政府にとっては何の役にも立たない。 私がファイヤード首相であれば馬鹿にするなと怒るだろう。 しかしファイヤード首相は何のことかわからなかったに違いない。 ごまかされてそれは結構なことだ、ありがとうと言ったかもしれない。 ファイヤード首相の反応が何も書かれていないところがこの記事の 滑稽なところだ。 こんな記事は世界が見ても理解不能の記事だ。 そしてもう一つこの記事が意味することがある。 外務省にとっては名称大使というポストを増やせるメリットがある。 また一人「大使」と呼ばれる職員が増えたということだ。 こんな芝居を演じる玄葉外相は、「外相は総理をめざす有力な通過点だ」 というのが口癖らしい。 この外務省にしてこの外相あり、だ。 ゴールデンウィークのドサクサにまぎれて外交を弄んでいる。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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