□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月2日第347号 ■ ========================================================= 野田訪米が教えてくれた小泉首相の対テロ戦争支持宣言 ======================================================== さすがにどの新聞も今度の野田訪米を手放しで評価する記事を 載せるほど愚かではない。 読売新聞でさえも5月2日の紙面で次のように不満を述べている。 すなわち野田首相が大震災後の需要急増に対応するために米国の LNG(液化天然ガス)輸出拡大を求めたのに対し、「戦略物資」 を理由にオバマ大統領が即答を避けたこと、TPPでは強引に自動車、 保険、牛肉の開放を迫ったこと、日米同盟を生き返らせてくれて ありがとうと褒め殺してさらなる財政負担を求めたことなどを書いて いる。 しかしその読売新聞は、「首脳会談を終えて」という柴田岳アメリカ 総局長の次のような解説記事を掲載し、それでも日米同盟は重要だ と説く。 「・・・オバマ大統領の賛辞には、自分が注文をつけた「宿題」の 解決に(野田)首相はよく努力している、というあけすけな響きが ある。だが気にする必要はない。同盟関係とはそもそも、互いに利用し 利用される、外交の「道具立て」なのだから・・・」 こういって次のようなエピソードを紹介する。 「・・・(野田)首相が泊まった大統領賓客施設「ブレアハウス」 は、過去の宿泊者の中から30組のゲストブック(宿帳)を公開して いる。その中に日本の首相でただ一人、01年の9月の米同時テロ直後 の小泉首相のサインがある。 「テロと戦え。我々は米国の確固たる味方だ」 大胆な語り口でブッシュ大統領の信頼をつかんだ小泉首相・・・ (野田首相は)小泉首相のようにドライに米国を利用すればいい。 国益を踏まえ、米国と互いに折り合える関係を築くことだ・・・」 本当か。 小泉首相は本当に米国を利用したのか。互いに折り合える関係を築い たとでもいうのか。 自分の政権維持のためだけに対テロ戦争支持を利用しただけでは なかったのか。 野田首相もまた自らの政権浮揚のために米国に利用されるだけでは ないのか。 小泉首相と同様に、その結果日本国民に多大な犠牲を強いることに なるのではないのか。 それにしても小泉首相はこんな言葉を米国の迎賓館に残していたのだ。 「テロと戦え。我々は米国の確固たる味方だ」、と。 この言葉は永久に米国に利用され続けるだろう。 この事を教えてくれただけでも柴田岳アメリカ総局長の記事は私に とって有益な記事だった。 その記事を書かせただけで野田首相の訪米は私にとって意味があった。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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