□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月20日第323号 ■ ========================================================= インドや韓国のミサイルに沈黙するしかない日本 ======================================================== 私は北朝鮮のミサイル実験発射で大騒ぎしている最中の4月 12日のメルマガ第301号で書いた。 ミサイル実験を4月16日―24日に実施するとインド国防当局 が読売新聞に語ったと言うニュースが流れている。なぜこれに抗議 しないのか、と。 そしてインドは予告どおり19日にミサイル発射実験を行い成功 した。 その事をきょう(4月20日)の各紙が報じている。 しかしそれを報じる記事は北朝鮮のミサイル発射の大騒ぎと比べて あまりにも小さい。 それを報じる記事のどこにもインドを批判する記事はない。 日本政府のコメントを探してみたら次のような藤村官房長官の記者 会見の言葉が小さく報じられていた。 インドは国際社会で弾道ミサイル開発を禁じられているわけでは ない、(実験成功による)地域や国際的な平和と安定への影響を分析 し、日本として今後の対応を検討している、と(20日毎日)。 そしてインドのミサイル実験成功を報じる記事とあわせて、韓国も 新型ミサイルを開発し、配備を完了した、という記事があった(4月 20日読売)。 その記事の中には李明博韓国大統領の次のような言葉が掲載されて いた。 「我々が強い力を持っていれば挑発もできない。北朝鮮を圧倒する 最新兵器がなければならない」 世界はミサイル攻撃競争の時代に突入しているかのようだ。 しかもただのミサイルではない。核弾頭を搭載した核ミサイルだ。 その行き着く先は勝者のいない核戦争の危険性である。 誰が考えてもそれは無謀だ。 いくら核ミサイルは使われない平気、抑止のための兵器だと強弁 してもむなしい。 テロにそれが渡ったら使われる。 中東の非核化が実現されなければ核兵器がが使われる危険性は強い。 憲法9条を持つ日本こそ、そのような核ミサイル攻撃競争の愚を どの国に対してもいさめる資格を持つ国に違いない。 その日本が、憲法9条を踏みにじって核ミサイル攻撃の元凶である 米国との軍事同盟を深化させようとしている。 その結果、北朝鮮やイランの核ミサイルには厳しく、インドや韓国 の核ミサイルには沈黙せざるを得ない。 本来ならば最も有利な立場にあるはずの日本は、ミスミスその特権 を放棄して米国の戦争に従属していく。 あまりにも愚かである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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