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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

石原慎太郎都知事に一本取られた尖閣諸島問題
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年4月20日第322号 ■   =========================================================   石原慎太郎都知事に一本取られた尖閣諸島問題                                                              ========================================================  中国嫌いのタカ派で暴言を繰り返す石原慎太郎都知事だ。  そんな彼が尖閣諸島問題でどのような発言をしても反発したく なる。  しかも尖閣諸島を東京都が買い取ると言う発言を、国内でなく わざわざ米国に出かけて言って発言している。  その言動を私は評価しない。  しかし尖閣諸島を国が買い取る事について、それがおかしいと 考える国民はいないだろう。  それどころか尖閣諸島の一部が私有地であったということを私は 知らなかった。  尖閣諸島はただの土地ではない。  いくら日本国憲法で私有財産権が認められているといっても日中 間の最大の外交・安全保障問題の係争地である尖閣諸島が私有地の ままに放置されていた事のほうがおかしいのではないか。  歴代政権の怠慢ではなかったのか。  所有者がどういう経緯で、どういう思惑で尖閣諸島を私有して きたのか私は無知であるが、1億円ほどの価値しかない無人島を 350億円で買取りたいと言ってくる国があるという事をその 所有者はテレビの前で話していた。  彼がその土地を外国に売却するとは思えないし、国はそれを知って 売却を認めることにはならないと思うが、そうであればなおさら一刻 も早く国が所有するように手続きを進めるべきではないのか。  領土問題は主権国家を基本とする今の国際政治の下では、どの国も 譲ることのできない難しい問題である。  領土という概念を捨て去って、領土はすべての国民に解放すべきだ などという考え方を持つ者はともかく、多くの国民にとっては尖閣 諸島は日本の領土であり中国との間で毅然とした態度を持って領有権 を主張すべきと考えるのは当然である。  石原慎太郎都知事の今回の言動は日本政府の虚をついたものだ。  だからこそ、どの報道も、どの解説者も、そして石原都知事の言動 を常日頃から批判する者たちですら、今回の石原都知事の買取発言を 批判できない。  石原都知事もまた国が買い取ればそれでいいと言っている。  今回の石原発言は、尖閣諸島問題で毅然とした態度をとれない日本 政府に対する問題提起であり、一本取ったということだ。  さすがの中国も今回ばかりは石原都知事を非難できない。  なぜならば中国も尖閣諸島の領有権について日本が譲歩しないこと を知っているからだ。  建前上は非難しているが本気で非難できないのだ。  尖閣諸島は国家保有の土地とした上で、日本政府は毅然とした外交 で中国に対して領土権を主張すべきなのだ。  それを軍事的ではなく政治的に解決する。  解決されるまで外交交渉を続ける。  それを政府に求めたことで石原氏の役目は終わった。  後は石原氏は余計な発言をしないことだ。  メディアもこの問題をこれ以上騒がないことだ。  後は日本政府が責任を持って中国との間で尖閣諸島領有権交渉を 行なうことである。                               了  ────────────────────────────────  配信会社フーミーからのお知らせ  4月28日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第4弾リアル タイム配信が次のように決まりました。 ■天木×植草リアルタイム時事対談 http://foomii.com/files/interview/nightlive2012/ ●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者) ●配信日時:2012年4月28日(土曜日)       19時00分~20時30分放送予定  今回は判決が下される(4月26日)直後の対談でもあり「小沢一郎氏 裁判」とは何だったのかについて90分間徹底討論します。  また、今回は視聴者のみなさんからの質問を事前に募集、対談中にお ふたりが直接回答します。(時間の関係上、回答できる数は限られて います。ご了承下さい。) ■質問はこちらから ⇒ http://enq-maker.com/bjjBmmY  本有料メールマガジン読者さまは「リアルタイム時事対談」ナマ配信を 無料で視聴いただけます。ナマ配信の視聴方法につきましては、28日当 日に有料メールマガジンでご案内します。   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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