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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 民主党政権を官僚支配に逆戻りさせた張本人 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年4月5日第278号 ■     =========================================================    民主党政権を官僚支配に逆戻りさせた張本人                                                               ========================================================  きょう4月5日の朝日新聞が一面トップで「民主党政権失敗の本質」 という特集記事を掲げている。  その記事は脱官僚をうたった民主党の歴代首相が見事に財務官僚に 屈服していく姿を描いている。  民主党政権ははじめから財務省と手を組んだのだ、と。  そして初代首相の鳩山由紀夫氏でさえ「財務省とはケンカしないよ」 と言っていた。なぜならば鳩山由紀夫氏の父鳩山威一郎氏は大蔵省の 次官経験者であり、鳩山首相が初代財務相に指名したのは、父威一郎 が見込んだ大蔵官僚出身の藤井裕久だった、と。  民主党の朝日のこの記事は、しかし、一面的だ。  民主党政権が官僚に屈したのは、なにも財務省ばかりではない。 外務省、経済産業省、厚生労働省などおよそすべての省庁に屈して しまった。  財務省支配をいたずらに強調するのは目くらましだ。  そして民主党政権が官僚支配に逆戻りしたのは、なにも歴代首相の 責任ばかりではない。  ましてや鳩山由紀夫が張本人などということはありえない。  民主党政権を官僚支配に逆戻りさせた戦犯はほかにいるのだ。  それを見事に説明してく入れる一冊の本が私の天もとにある。  それが古賀芳明元経産官僚とジャーナリスト須田慎一郎の対談を 収めた「日本が溶けてゆく」(2011年7月初版 飛鳥新社)と いう本だ。  その88ページ以降に、民主党政権が官僚支配に逆戻りした原 風景が見事に描写されている。  すなわち鳩山政権発足直後の2009年9月の約一か月間、仙谷 由人行革担当大臣と国家公務員制度改革推進本部の事務局に経済 産業省から出向していた古賀芳明氏とのやり取りが、古賀氏の証言 によってなまなましく再現されている。  古賀氏が仙谷氏に呼び出されてホテルで密会したのは都合3回だ ったという。  人を通じて仙谷氏に紹介された古賀氏は初対面の時、仙谷氏に脱 官僚の意気込みを感じたと言う。  しかし二回目に会った時に様子が変わり、最後の会談である3回 目には古賀氏を使えないという態度に急変していたという。  そして仙谷氏にそれを吹き込んだのが仙谷氏が重用した二人の元 官僚政治家、松井孝治(経済産業省)、古川元久(財務省)である という。  松井氏は、経産省からメガトン級の反発が起きるから古賀は使え ない、と忠告したという。  その言葉はそっくりそのまま、私がかつて聞いた言葉だ。  かつて民主党がまだ野党の時、私は菅直人党首から参院選の出馬 要請を受けたことがあった。  それからまもなく党首から菅直人氏から岡田克也氏首になり、 選対本部長も石井一氏から玄葉光一郎氏に代わった。  その玄葉光一郎氏がわざわざ私を訪れて、民主党はあなたを公認 できないことになったと断ってきた。  その背景を人づてに聞いたところ、松井孝治が、「外務省の反発 が強すぎて民主党はつかえない」と反対したという。  なんのことはない。  民主党は政権を取る前から脱官僚などできない政党だったのだ。  脱官僚を本気で行おうとした政治家が小沢一郎であり、小沢一郎 を排除して菅政権を牛耳った張本人が、松井、古川を従えた仙谷由人 であったということだ。  いまその民主党政権が官僚の言いなりになって行き詰まっている という事である。                            了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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