□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月5日第277号 ■ ========================================================= 「原発は止めない」が最高裁の意思だった ======================================================== もうすぐ小沢裁判の判決が下される。 長きにわたって繰り広げられたこの異常な裁判に意味があったと すれば、それはこの国の「法の支配」が最高裁によって歪められて いるのではないかと国民に疑義を持たせてくれたことである。 そして小沢事件がきっかけとなって最高裁批判というタブーに風穴 があけられたことである。 メディアが次々と最高裁の正統性に疑義を呈するようになった。 こんなことは小沢裁判がなかったらありえなかったに違いない。 これから書くことも痛烈な最高裁批判の記事についてである。 ただしそれは小沢裁判についてではない。 原発問題についてである。 発売中の週刊プレーボーイ4月16日号は最高裁事務総局が原発 訴訟を歪めてきた噴飯ものの実態を検証している。 2006年3月24日、金沢地裁で稼働中の原発を差し止める全国 初の判決が下された。 その判決を下した井戸謙一裁判官は、今は退官して弁護士の身だが、 彼は当時を振り返ってこう語る。 「志賀原発(石川県志賀町)では設計時の想定を上回る地震が予想 され、耐震設計の妥当性に問題がある以上、原発を止めざるを得ない という判断でした。ごく当たり前の判決だと思っています・・・」 ところがその「当たり前」の判決が名古屋高裁で破棄され、最高裁 でも原告の上告は棄却されたのだ。 「なぜ第二、第三の原発差し止め判決がでなかったのでしょう」 週刊プレイボーイ取材班のそういう質問に対し井戸氏はこう答 えた。 「『原発は止めない』という最高裁の意思を感じます・・・」 そして週刊プレイボーイのその記事は次のように続ける。 裁判官は、その人事権を握る最高裁事務総局という司法官僚に よって統制を受けてきた。最高裁の判決に逆らった判決を書いた裁判官 は地方の裁判所やその支部を転々とする。ポストや昇給でもほかの裁判 官に後れをとる。その結果裁判が歪められる。 原発推進という最高栽の意思に沿う判決が出され続け、危険な原発が 運転され続けたとすれば、政府、電力会社、御用学者など原発を推進 してきた「原子力ムラ」を最高裁が司法の面から支えてきたということ だ、と。 とんでもない最高裁判所である。 しかし3・11福島原発事故がそのような最高裁の誤りを正してくれ る事になる。 あたかも3・11がこの国の支配体制に転換を迫ることと同じように。 脱原発を願う者はどんどんと原発さし止め訴訟を起こせばいいのだ。 世論の批判を最も敏感におそれる最高裁の司法官僚たちは下手な判決 を書けなくなる。 下手な判決を書けば脱原発の世論から徹底的に非難される。 裁判官は国民からの罷免要求を覚悟しなければならなくなる。 おりしも野田民主党政権は原発再稼働の「政治決断」を決めている ようだ。 できるものならやればいい。 原発に反対する国民は差し止め訴訟をどんどん起こせばいい。 その訴訟を棄却するような裁判官は、野田民主党政権ともども国民が 罷免すればいいのだ。 この動きはだれにも止められないだろう。 いい世の中になろうとしている。 3・11が日本を変えようとしている。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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