□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月4日第274号 ■ ========================================================= 政治家が白状した宗教法人に課税出来ない理由 ======================================================== 野田首相による消費税増税の強行についてはおよそ良い事は何も ないが、あえてひとつだけ良いことをあげるとすれば、日頃気づく ことのなかったこの国の税制のデタラメさを明かしてくれるのに役 だったことだろう。 宗教法人に対する非課税の不合理もその一つだ。 およそタブーになっていた宗教法人の非課税問題についてとうとう 朝日新聞までもが書くようになった。 4月3日の「耕論」は作家と弁護士と元政治家の三人の意見を掲載 していた。 震災や原発事故で金が足りない、足りないと大騒ぎをして増税しよ うとしているのに、なぜ宗教法人だけが税金を納めなくていいのか。 一般国民なら誰もが思う事を代弁していたのが作家の中村うさぎ氏だ。 それに対し、宗教活動が非課税なのはそれが信仰を通じて社会の安定 に寄与するという公益性があるからだ、と宗教法人を擁護する長谷川 正浩と名乗る弁護士。 経歴を見てみると、その弁護士はみずから日蓮宗の僧侶でもあると いう。宗教法人への非課税を是認するのも無理はない。 そして三人目の論者が元民主党議員の峰崎直樹氏だ。 私が注目したのはこの峰崎氏の発言部分だ。 私がこのメルマガを書いた趣旨がここにある。 峰崎氏は政治家時代に非課税廃止を実現しようと努力して出来なかった 事情を次のように率直に書いている。 「・・・私は09年5月、参院予算委員会、巨大宗教法人の税のあり方 を取り上げ、税務調査をきちんと行い、公平に課税する方向で集中審議を 申し入れたが、実現はしなかった。その際、信徒数が多く、財政規模も 大きい伝統仏教や新宗教の巨大教団の名前をいくつか例示しました。する とその直後、そうした教団から選挙で推薦を受けた民主党をはじめとする 議員たちから『どういう意図か』と質問が来た。教団からも問い合わせが 相次ぎ、私は本山に出向き、真意を説明して回りました・・・ 峰崎氏はその後も宗教法人への非課税を廃止する検討が政治の場で何度 も試みられたがことごとく頓挫していった事を述べ、そして最後にこう締 めくくっている。 「・・・(消費税増税法案の成立に全力をあげているいま)野党に遠慮 してか宗教法人課税論儀は政界ではほとんど聞かれません。」 選挙で当選するためには組織票が不可欠だ。そのためには政策を捻じ曲 げても組織票の前に沈黙する政治家たち。 事は宗教法人への非課税問題だけではない。 今の政治家たちが正しい政治を行えない現実がここにある。 なんとしてもインターネット政党を実現しなくてはならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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