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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

消費税増税よりも難しい大飯原発再稼働の政治判断
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年4月4日第275号 ■     =========================================================    消費税増税よりも難しい大飯原発再稼働の政治判断                                                               ========================================================  野田民主党政権は、消費税増税問題よりも先に、原発再稼働問題で 命運がつきるのではないか。  ここにきてにわかにそういう状況になりつつある。  今日4月4日の各紙は大飯原発の再稼働問題について一斉に大きく 報じている。  どうやらメディアもそのことに気づき始めたようだ。  しかもその内容を読めば読むほど野田首相と関係閣僚たちは追い込 まれていることがわかる。  再稼働の判断基準は安全性の確認だと言いながら、その安全性が まったく確認されていない。  安全性を確認する立場にある内閣原子力委員会の斑目会長が、確認 されていないと繰り返している。  安全性をより正しく確認するために4月にも作られるはずであった 原子力規制庁がいつまでたっても発足できない。  政治家はただの一人も安全性を判断する知識も能力もない。  こんな状況の中でどうやって安全性が確認できるというのか。  すべては官僚に丸投げだ。  そして官僚は判断を間違う。  4月3日、大飯原発再稼働についての政治決断を行う初めての 関係閣僚会議が開かれたというが、彼らはいったい長時間何を話して いたというのか。  どんな判断ができるというのか。  次回協議までに新しい安全基準を作れと野田首相が命じて終わった という。  それが唯一の成果だったという。  いかし今更何が新安全基準だ。誰がその基準を作るというのか。  おまけに受け入れ先の自治体の了承がいる。  自治体の首長は住民の声を無視するわけにはいかない。  誰も安全性を確認できない状況下でどうして住民の理解が得られる というのか。  おまけに原発再稼働問題については民主党内のエネルギープロジェクト チームの中でも意見が分かれているという(4月3日日経)。  それは消費税増税問題のような野田執行部と小沢派の対立ではない。  民主党政権の議員の中で意見が分かれているのだ。  それでも野田首相は既に原発再稼働を決めているという。  枝野経済産業大臣の「私は再稼働反対」という発言は猿芝居 だという(4月4日日刊ゲンダイ)。  おそらくそうだろう。  官僚、財界の側に立つ野田政権としては再稼働を停止したまま原発廃止 に突き進む訳にはいかない。  しかしもし野田首相が消費税増税と同じように最後は政治決断で押し切 ればいい、と安易に考えているとしたら大きなしっぺ返しを受けるだろう。  相手は原発である。核問題である。  消費税増税問題はごまかすことはできても原発、核問題はごまかす ことが出来ない。  原発再開に対する国民の不安、反発は消費税問題への反対どころの 騒ぎではない。  野田首相は原発問題で命運がつきる事になるかもしれない。                                             了    ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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