□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月2日第269号 ■ ========================================================= 日を追って消費税増税反対の世論が高まっていくだろう ======================================================== 消費税増税法案の閣議決定を強行し、後は6月末までに成立させる だけとなった。 野田首相は一つの山を越したと喜んでいるかもしれない。 メディアはそんな野田首相を持ち上げようとしている。 しかし事態は思うようにいかないだろう。 それは小沢派が反対するからではない。 自民党や公明党が反対するからではない。 消費税増税に反対する国民世論の声がだんだんと高まっていくに 違いないからだ。 今日(4月2日)の日経新聞は一面トップで「景気復調、内需が 支え」という見出しの大きな記事を掲載している。 すなわち復興事業による内需の支えが景気を緩やかに回復させ つつあるという。 しかしその内需は消費税増税でたちどころに冷やされるだろう。 最悪のタイミングの消費税増税の強行だということだ。 なぜ野田首相は消費税増税を強行するのか。 それは赤字国債をこれ以上増やせないからだ。財源確保のための 消費税増税だ。 しかし消費税増税が税収を引き上げる保証はない。それどころか むしろ税収を減らす事にすらなるおそれがある。 それを見事に解説しているのが3月29日の朝日新聞「教えて! 消費税」の記事である。 その解説記事は要旨次のように書いている。 ・・・消費税を上げれば、税収が増え、社会保障の財源が確保 出来て財政再建にもつながる。野田政権はこう説明する。しかし、 本当にそうなのだろうか・・・消費税は1989年4月に3%で 導入され、97年4月に5%に引き上げられた。この増税で国の 税収は(確かに)96年度の52兆円から97年度の53・9兆円 に増えた。ところが翌98年度には49・4兆円と激減する・・・ すなわち消費が落ち込めば元も子もないと言うわけだ。 そして極めつけは同じ3月29日の朝日の「社説 余滴」という 記事である。 副主幹という肩書の柴田直治という記者が要旨次のように嘆いて いる。 年金で厳しい生活を送っている高齢者の読者から、消費税アップ を社説で後押しする朝日は何事か、という苦情の声がよく届く。 確かに朝日の社説はいま、「増税やむなしだ」。自分(柴田)も 消費税増税は仕方がないと思っている。 高齢者が不満を持つのは仕方がない。しかし朝日の世論調査による と若い世代ほど消費税に反対する傾向が見られるが気にかかる。 消費税増税をして世代間の不平等をなくそうとしてやっているのに なぜ若い世代は消費税増税に反対するのだろうか、と。 愚かだ。今の日本においては若い世代ほど低所得者であり経済的 弱者である。逆進性である消費税の増税こそ若者いじめなのだ。 高齢者にも若者にも反対される消費税増税。 ましてや、日々の生活に追われている平均的な家庭が消費税増税 に反対するのは当然である。 消費税増税を強行することは間違いなのである。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加