□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月2日第270号 ■ ========================================================= 新聞がついに書き始めた小沢強制起訴の暗部 ======================================================== 何かが少しずつ動き始めているのだろうか。そう思いたい。 これまでもっぱら週刊誌などにとどまっていた小沢事件の隠され た部分の一部がとうとう新聞に取り上げられるようになった。 すなわち4月2日の東京新聞こちら特報部「ニュースの追跡」は 司法制度改革の一環として、裁判員制度とともに2009年5月に 導入された「起訴決議(強制起訴)制度」の密室性について書いた。 そもそも有権者名簿から無作為に選ばれた一般国民が人を裁くと いう大きな裁判制度の変更を、国民的議論もなく、政治家さえ十分 に理解することなく司法官僚主導で導入されたのが裁判員制度で あった。 しかしその裁判員制度の導入以上に私が違和感を持つのが、やは り同じように無作為に選ばれた一般国民に強制起訴という強力な 権限を与えた検察審査会の権限強化である。 誰が何のためにこのような検察審査会の権限強化を目論んだのか。 それが一切明らかにされないまま今日に至っている。 そしてこの検察審査会の密室性が最も深刻な形で現れたのが小沢 一郎元民主党代表に対する強制起訴議決である。 なにしろ、この国の首相になる可能性の高かった政治家を、プロ の検察が不起訴と判断したにも関わらず、無作為に選ばれた一般 国民が強制起訴してつぶしたのである。 しかもその一般国民が、検事のねつ造捜査報告書に誤誘導された 事まで明らかになった。 これほど不透明な検察審査会はない。 だから国会でも散々取り上げられてきた。 それにも拘わらず大手メディアは検察審査会の不透明さについて は一切書こうとはしなかった。 あたかもそれを書けば、小沢強制起訴から裁判に至る一連の動き が、この国の国家権力によって仕組まれた犯罪であったことがばれ る事を恐れるかのようだ。 ところがついに東京新聞が書いたのである。 東京新聞を動かしたものは権力犯罪を許さないと考え、行動して きた一般市民たちの熱意である。 市民たちが情報公開法に基づいて検察、司法から入手した情報が 東京新聞を動かしたのだ。 東京新聞が書いた疑惑は、検察審査会のメンバーが選ばれるプロ セスの不透明正である。 つまり約2千数百万円もの経費をかけて導入した無作為選定のコン ピューターソフトが実はアリバイ作りであり、本当は検察当局に都合 のいい人物を手作業で作ったのではないかという疑惑である。 それを確認するために審査員メンバーの情報開示を求めても、個人 情報の保護を理由に一切の公開を検察は拒んできた。 検察審査会のメンバーの平均年齢が二度の審査会でまったく同じ 34・55歳というのは確率的に百万回に一回であるという不自然さ が疑惑をさらに深くしている。 実はこの検察審査会をめぐる東京新聞が報じる疑惑は氷山の一角 なのである。 より深刻な疑惑を市民グループはつかんでいる。 私は市民グループの集まりに呼ばれて話を聞いたことがある。 それを2月24日のメルマガ第155号で書いた。 すべての不透明さの背後には最高裁事務総局という司法官僚の 存在があるのだ。 おりしも小沢裁判の判決が4月26日にも下される。 東京新聞に続く大手新聞がこの小沢事件をめぐる検察審査会の 暗部を追及すれば、小沢裁判など雲散霧消するだろう。 だからこそ大手メディアは書かないのだ。 いまとなっては東京新聞が唯一、ジャーナリズム魂を保った 勇気ある新聞社であるかのようだ。 権力に迎合して真実を書こうとしない大手新聞は、もはやインター ネットに流される良質な情報に駆逐され、その存在意義を失っていく だろう。 そうさせなければならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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