□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月2日第268号 ■ ========================================================= 新たな日米沖縄密約を許してはいけない ======================================================== 消費税政局や北朝鮮衛星打ち上げ騒ぎでメディアが埋め尽くされて いる裏で、沖縄問題をめぐる日米交渉がとんでもないことになっている。 米側が理不尽な財政負担を日本に求めてきたのだ。 今度こそ沖縄密約をゆるしてはならない。 今朝(4月2日)のNHKの早朝のニュースは米国がグアム基地建設 費用の日本側負担増額要求を強く求めていると報じた。 これほど大きなニュースなのに今朝のどの新聞も報じていない。 あたかも、あまりにも不都合なニュースだから、それが既成事実化する までは国民に知らせたくないといわんばかりだ。 日本政府と結託して不都合な真実を隠そうとしているかのようだ。 NHKによると、日米外務審議官級協議において、米側は06年に日米 合意した日本側負担分28億ドルを一気に40億ドル(円換算約3300 億円)まで増額しろと迫って譲らないという。 米側の都合で沖縄海兵隊のグアム移転数が減ったのだから、それに応じ て日本側の負担分は減って当然なのに、逆に大幅増額を求めてきたのだ。 ただでさえ日本財政は破たんしている。 国民が安心して生きていけないほど年金も社会保障も削られようとして いる。 その財源不足を理由に逆進税である消費税が国民の大多数の反外にも かかわらず強行的に引き上げられようとしている。 人々は生活防衛のために少しでも安い値段を求めてスーパーに走る。 そんな日本が、国民の暮らしになんの利益ももたらさない米軍の、しか も米国領土内の軍事基地強化の費用を3300億円も負担するなどという 事は、まともな国民ならとても許さないだろう。 だから日本政府も建前では断るほかはない。 しかし米国は要求を取り下げない。 そこで何が起きるか。日米沖縄密約の繰り返しである。 しかし密約と言っても色々ある。 今回は嘘を繰り返して国民をだます巧妙な密約だ。 沖縄の負担が軽減するのだから仕方がない、という言葉がすでに政府 側から出てきている。 とんでもない嘘だ。 海兵隊のローテーション移転は米国の戦略上の都合で行われるものだ。 沖縄に駐留する海兵隊の数は少しは減るかもしれないが、沖縄のある米軍 基地からこうむる沖縄住民の不安、負担は何も減りはしない。 3300億円の財政負担は国家予算から出すのではない、国際協力銀行 からの融資だ、と政府は言うかもしれない。 とんでもない屁理屈だ。 その原資は国民の負担だ。 おまけに基地建設は融資の対象には不適当な非生産的なプロジェクトだ。 融資になじむようなものではない。金は返ってこない。 政府は国民の知らないところで米側の要求を呑むことを決めている。 その証拠に4月1日付で予定通り奥田碩トヨタ相談役(元経団連会長)が 国際協力銀行の新総裁に就任した。 行政改革で日本政策金融公庫に一本化したはずだったのに、国際協力銀行 をわざわざ分離・独立して、思う存分米側の要求に応じるということだ。 なにもかも仕組まれている。 新聞はこの深刻な事態を書かない。 だから国民は知らないままだ。 私が密約であるというゆえんである。 こんな巧妙な日米沖縄密約を今度こそ許してはならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加