□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月1日第267号 ■ ========================================================= 中国の権力闘争の裏にある米国の関与 ======================================================== 4月1日の日経新聞「地球回覧」に「薄氏解任、もうひとつの 理由」という極めて注目すべき記事を見つけた。 今秋に予定される中国政権の人事交代において最高指導部入り が有力視されていた重慶市のトップ(重慶市党委員会書記)である 薄熙来(はくきらい)が解任されたのは半月ほど前だった。 この事を報じる我が国のメディアは中国の権力闘争が表面化した と書きたてた。 私もそれをそのまま鵜呑みにして中国の権力闘争の激しさが中国 の安定化を妨げるのか、などと思っていた。 ところがこの日経新聞の記事は、この人事抗争の裏には中国の民主 化を嫌う米国の影があったというのだ。 すなわち薄氏は貧富の格差に不満を持つ市民らの支持を得るために 中国の富裕層の不正を取り締まろうとした。 その動きを察知した米国にパイプを持つ一人が米国に駆け込んで、 薄氏の最高指導部入りの阻止を働きかけたというのだ。 なぜ米国が薄氏を敬遠するのか。 それは薄氏が民主化問題で強硬路線をとれば、米中関係にも悪影響 が及ぶと恐れたからだ。 それはまた、薄氏の影響力が増すことを恐れた胡錦涛、習近平指導 部と利害が一致する。 胡錦涛、習近平に恩を売ることによって今後の対中交渉を有利に 進めようとする思惑が米国にあるという。 日経新聞のその記事は次のような言葉で締めくくっている。 「・・・鄧小平氏のような絶対的な指導者が(後継者を)指名し ない初めての最高指導者の交代。国内総生産(GDP)世界第2位に なった中国の最奥部で権力闘争が激しさを増すなか、その背後では 米中の駆け引きもうごめいている」、と。 この記事で私が思ったのは、米中対立などという見方は皮相的な見方 であるということだ。 米中関係は、権力者同士の都合によってもっと深い所で結びついて いるとということだ。 そして、ここからがこのメルマガで私が言いたいことである。 この日経の記事が書いている事は、米国はまた日本の権力闘争にも 関与し続けてきたことを物語っている。 米国が小沢一郎追い落としに関与してきた動かぬ証拠なのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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