□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月1日第266号 ■ ========================================================= 検察の後はいよいよ最高裁が裁かれる番だ ======================================================== 昨日3月31日のメルマガ「大坪大阪地検特捜部長らの判決が意味 するもの」で私は指摘した。 今回の大阪地裁の判決で最も注目されるべき事は、判決の中で 「組織防衛を過度に重要視する風潮が、特捜部や検察庁内にあった ことは否定できない」、 「二人だけを責めるのは酷だ」、 と言及された事である、と。 これは官僚という限界を持つ裁判官が検察組織に向けて伝えた精一杯 のメッセージである、と書いた。 その私の指摘に刺激された訳ではあるまいが、今日4月1日の朝日と 毎日の社説は、それぞれ「検察の体質も裁かれた」、「検察全体に反省 を迫った」と題して、検察組織に根本的な改革を迫っている。 これらの社説が言っていることはその通りだ。 しかし、これら社説が決して書かない事がある。 それは「裁判所の責任」である。 毎日新聞の社説はいう。 「・・・検察官は、逮捕や起訴といった強大な権限を持つ・・・ 権限行使が独善に陥らないこと、謙虚な姿勢を保つべきことなど・・・ 改革を進めねばならない」、と。 これもその通りだ。 しかしそれならば裁判所はどうか。 警察による逮捕から始まって検察による起訴、求刑に至る一連の司法 手続きという名の人権拘束は、最後は裁判で終わる。 そしてその裁判は最高裁の判決で確定し、すべて終わる。 そのような絶大な国家権力を行使する最高裁判所が、組織的に腐敗 していたとすればどうか。 その腐敗した最高裁が、下級裁判所の人事や予算のすべてを握り、下級 裁判所を完全に掌握し、その判決を左右しているとすればどうか。 実は聖域とされてきたこの国の最高裁判所の組織的疑惑が次々と明らか になりつつある。 大手メディアは決して書こうとしないが、良識ある市民たちが行動を 起こし、その結果わかった最高裁の疑惑がインターネットを通じてどん どんと拡散しつつあるのだ。 しかもその疑惑が、いまの政治の最大の問題である小沢強制起訴事件 に及んでいるという見方が急浮上しているのだ。 民主党代表であった小沢一郎は、政権をとったとたん政治資金疑惑に 襲われた。 検察組織が不起訴としたにもかかわらず、国民から選ばれた検察審査会 なるものの議決で小沢一郎が強制的に起訴されたことは周知のとおりだ。 検察審査会にこのような強力な権限を与える司法改革を行ったのが最高裁 であった。 その検察審査会のメンバーが最高裁によって作為的に選ばれた疑いが 濃厚であるという。 極めつけは、素人集団である検察審査会のメンバーを小沢有罪という 判断に導いた検察の捜査報告書なるものがねつ造されたことが明らかに なったにも関わらず、裁判所は公訴却下を宣言することなく裁判を続けた ことだ。 それらすべてが最高裁事務総局という司法官僚によって行われていた という疑惑が指摘されているのだ。 大阪地裁による検察組織の責任を指摘した判決を、一番衝撃を持って 受け止めたのは最高裁に違いない。 検察の組織的不祥事を指摘した大阪地裁の判決は、はからずも次は最高 裁判所が裁かれる番である事を我々に教えてくれたのだ。 下級裁判所の裁判官が最高裁に対して無言の抵抗をしたのだ。 最高裁が裁かれ、この国の司法体制が変革される時こそ日本に民主主義 が始まる時である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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