□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月31日第262号 ■ ========================================================= サイル迎撃で大騒ぎするのはいい加減に止めたらどうか ======================================================== 私は3月21日のメルマガ第230号で「田中防衛大臣による 迎撃ミサイル発射命令」とは冗談だろうと書いた。 それは冗談のような田中防衛大臣が命令するから冗談だという のではない。 軍事オタクの石破茂氏が防衛大臣であっても発射命令を下さざる を得なかったに違いない。 ミサイル発射命令が「冗談ではないか」と言っているのだ。 高い金を払って米国から迎撃ミサイルシステムを買わされている。 ここで使わなければ使う事がないSM3とかPAC3である。 だから不必要とも思える大量のミサイル迎撃システムを仰々しく 配備して見せるのだ。 それをメディアが大騒ぎして報道するのだ。 しかし、そもそも何を対象にそれを使うというのか。 北朝鮮が打ち上げた「衛星」と称するミサイルを撃ち落とすの ではない。 そんなことをすれば先制攻撃になる。北朝鮮との全面戦争になる。 そうではなくて「衛星」か「ミサイル」か、わからないが、その 発射後の破片が「万万が一」(藤村官房長官)落ちてきて危害が及ぶ ような時にその破片をミサイルで撃ち落とすのである。 向かってくる敵のミサイルを撃ち落とすための迎撃システムが、落ち てくるかも知れない破片を撃ち落とすのである。 頼み込んで言ってもらったのではないかと思えるほどのタイミング で米国防総省のラボイ次官補代行(アジア・太平洋担当)という人物 が複数の国が破片落下によって影響を受ける可能性があると議会証言 している。 当たり前だ。 破片落下の可能性はもちろん皆無ではない。 しかし問題はその可能性がどれほど高く、どれほど危険な場所に破片 が落ちてくるかである。 何よりもそんな形で落下してくる破片を迎撃ミサイルで撃ち落とそうと することが正しいのか。 撃ち損じた我が国のミサイルはどこに向かって飛んでいくというのか。 そんな判断を破壊命令という名で現場の指揮官に任せるのである。 指揮官は判断が下せるのか。 しかも北朝鮮の衛星(ミサイル)が我が国領土に届くのは発射後10分 ぐらいしかないという。 すべては茶番だ。 日本が大騒ぎをしている間に米国と北朝鮮は米朝非公式協議を再開 しようとしている(3月31日朝日)。 日本政府や防衛省、自衛隊はもっとほかにすることがある。 メディアは報じるべきもっと重要なことがある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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