□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月22日第234号 ■ ========================================================= 「イラン制裁 日本除外」報道の大ウソ ======================================================== 私は3月5日のメルマガ第181号で書いた。 イラン制裁をめぐる日米交渉の実態をこの国のメディアは正しく 伝えていないと。 報道が与える印象に反して、日本は他のどの国よりも犠牲を払って 米国に追従しているのだ、と。 それは今も変わらない。 きょう3月22日の各紙が一斉に報じていた。 米国は20日、イラン制裁法対象から日本を除外すると発表した、と。 あたかも日本の対米交渉が奏功したといわんばかりの報道だ。 しかし実態は決してそうではない。 制裁対象外となったのは英国、ドイツ、フランスなど11カ国であり 日本はその一つに過ぎない。 そもそもイラン原油輸入規制はそれを求める米国・欧州さえも経済 負担を伴うもろ場の刃だ。イラン原油輸入制限の落としどころが必要で あった。 しかも経済制裁はすべての国が一致して行なわないと効果はない。 最大輸入国である中国はもとより、インドも韓国も米国の制裁 から距離を置いている。 米国の思惑は「優等生」日本を持ち上げることによってさらなる制裁 を他の国に求めることにある。 その証拠にクリントン国務長官は「大きな困難に直面した日本の大幅 削減」をわざわざ称賛して、「イランから原油を輸入している他の国も 見習うよう」求めている。 日本は名指しで褒められて日米同盟の緊密さ世界に示すことが出来る。 これが毎日新聞の見出しが書く「日米利害の一致」であるのだ。 しかし日本は協議の過程でこれまで以上の原油削減前倒しを飲んだ。 しかも日本はさらなる原油輸入削減を迫られるという。 その事によってガソリン価格は上がり、個人消費を直撃する。 要するに日本政府も業界も、国民生活を犠牲にして米国のイラン制裁 の宣伝塔になっているということだ。 どこまでも対米従属の野田民主党政権であるということである。 どこまでも真実を伝えないこの国の大手メディアである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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