□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月20日第226号 ■ ========================================================= 日本が知らぬ大国の黙約 ======================================================== 北朝鮮のミサイル発射実験予告をここまで大騒ぎしているのは 日本だけではないのか。 中国が冷静なのは当然としても、米国の反応がなぜか北朝鮮に やさしい。 そう思っていたら3月18日の日経新聞「風見鶏」が「日本が 知らぬ大国の黙契」と言う見出しの要旨次のように記事を掲載して いた。 よく考えてみれば不思議な話だ。イランに核兵器を持たせない、 そのためには「攻撃辞さず」と言う米国が、堂々と核兵器をつくり、 手放そうとしない北朝鮮には食糧支援を約束した、と。 北朝鮮とイランで米国の対応はなぜかくも違うのか、と。 日本は米国や欧州からイラン原油の輸入削減を強く求められるの に米英仏は中国に対しては日本ほど強く制裁を迫っていない、と。 そして「風見鶏」はこう書いている。 「イラン問題で、米英仏の態度が日本よりも中国に甘いのには、 理由がある。中国は米英仏と並ぶ国連安保理の常任理事国で、 拒否権を持つ。イランへの制裁決議を通すためには、中国を敵に 回せないのだ。国連安保理を牛耳る米英仏と中ロには、外からは うかがい知れない特殊な貸し借り関係がある。イランだけでなく、 ときには北朝鮮問題をからめた『裏取引』も交わされる・・・」 その通りである。 米国は北朝鮮よりもイランを優先する。 中国はイランよりも北朝鮮のほうが重要だ。 日本にとってはもちろんイランよりも北朝鮮のほうがはるかに 重要だ。 その日本が中国と組まずに米国と組んで北朝鮮問題に対応して きたからいつもはしごを外されるのだ。 そして米国と中国は国連安保理事国のよしみで裏取引をする。 日本外交がピント外れなのは、残念ながら必然なのである。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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